道路に描かれている「規制標示」は、クルマの免許取得時に習う交通ルールのひとつですが、そのなかの「停止禁止部分」について、過去にあるできごとがSNSで話題を集めました。どんな内容なのでしょうか。

「停止禁止部分」の意味覚えてる?

 交通方法に関する規制を表示する「規制標示」は、免許取得時に教習所などで習う交通ルールのひとつです。

 そんななか、規制標示のひとつである「停止禁止部分」について、過去にあるできごとがSNSで話題を集めました。どんな内容なのでしょうか。

 停止禁止部分とは、白線の四角い区画の内側に斜線が書かれている標示で、運転時に停止することが禁止されている部分を指します。

 主に警察署や消防署、救急指定病院など主に緊急車両が出入りする施設の前などに設置されています。

 ここに差し掛かる場合、渋滞時でも、信号待ちの時でも、前に詰めずにスペースを開けて停車しなければなりません。

 そんな停止禁止部分に関して、過去2023年7月にSNSで「クラクション鳴らされてます。何か悪い事してるかな」というコメントとともに、添付された写真の投稿が話題を集めました。

 写真は、クルマを運転している投稿者が、停止禁止部分に入らないようその手前で停車していることが分かるものです。

 この投稿では、投稿者の後ろに並んでいたクルマからは、道路に描かれている停止禁止部分の標示は見えにくいものの、周囲の建物などから状況について想像することも可能といえるでしょう。

 これを見たユーザーからは「これを知らないなら免許返納してほしい」という指摘や、「よく知らない人多いよね」「何のためにあるのか少し考えれば分かると思うんだけどな」などさまざまな意見が寄せられていました。

 改めて、この投稿は停止禁止部分の認識を改める必要があることを物語るできごとだったといえるでしょう。

 警察署や救急指定病院などは一刻を争う事態が発生しているケースもあります。最近では救急車の出動が多いほどです。

 停止禁止部分はもちろん、規制標示のある場所では定められた交通ルールに沿って適切な運転を心がけることを今一度再認識することが大切といえます。

見分けのつかない規制標示も

 今回のような停止禁止部分のほか、道路標示には見分けのつきにくいものがいくつか存在します。

 例えば、黄色い楕円形の枠に白い斜線が入っている標示は「立入り禁止部分」という規制標示です。

 この標示は、「物理的、構造的な措置ができず、特に危険が大きいと認められる場所」にあり、車両の立入りを禁止することで交通の安全と円滑を図る目的で設置されています。

 一方で立入り禁止部分と同様の黄色と白の枠線が長方形に描かれている「安全地帯」と呼ばれる道路標示もあります。

 安全地帯は、主に路面電車の停留場又は横断歩道が長い広幅員道路等の横断歩道の中間地点等で特に必要と認められる道路の部分に描かれています。

 立入り禁止部分と安全地帯は、描かれている形が違うものの、用いられている2つの色が同様であり見分けがつきにくいため、注意が必要です。

 また停止禁止部分の標示のように、白線でシマシマ模様が書かれている「導流帯(ゼブラゾーン)」も間違いやすい標示のひとつです。

 主に交差点や交通量の多い道路など円滑な走行を誘導を必要とする場所に設置されています。

 なお、あくまで交錯する交通の流れを分離することで安全かつ円滑に進路を誘導することが目的であるため、ゼブラゾーンは一般的に走行しないことが望ましいでしょう。