タクシーや路線バスなどに代わって乗用車で客を運ぶ「ライドシェア」。
GW中、全国の観光地などで活用されました。別府市でも6月から始まります。
GWに合わせて長野県の観光地・軽井沢でもライドシェアが始まりました。
自家用車を使って一般のドライバーが有料で乗客を運ぶサービスで、4月から都市部や京都などの観光地で始まり、タクシー不足の解消が期待されています。
一方、6月下旬からライドシェアを導入する大分県別府市では全国で始まったものとは少し違います。
10人乗りの乗用車と、車いすのまま乗ることができる福祉車両の2台が、決まった時間とルートで運行するコミュニティバスのような形です。
(別府市企画戦略部 佐藤浩司次長)
「地域の住民の方が気軽にしかも自分たちが移動するのに本当に必要な移動手段というのを行政が準備して皆さんに利用していただく」
別府で始まる「湯けむりライドシェア」その目的と、民間の交通機関とのすみ分けなどの課題に迫ります。
(小栗アナウンサー)
別府市が6月から始める「湯けむりライドシェア」、どういう事業なのか詳しく見ていきます。
別府のライドシェアはすでに都市部などで始まっているものとは少し違います。
まず都市部はタクシー事業者が運営します。
また、アプリを使って車を呼びそのまま目的地に直行するタクシーのような形です。
料金もタクシー運賃と同程度の額がかかります。
一方、別府版は市が一般社団法人に委託して運営、つまり自治体が主体です。
30分に1本、決まったルートでバスのように運行し料金は一律200円です。
そもそもなぜ別府ではコミュニティバスのような形で運用するのでしょうか。
こちらがそのルートなのですが、浜脇など南部地区のみでの運行で、病院やスーパーなどが主な停留所となっています。
「高齢者が多く住んでいる」「タクシーはあるがバスの本数が少ない」という特徴があり、市が地域住民にアンケートを取ったところ9割以上がこう答えました。
300円以下で利用したいという声が殆どだったためコミュニティバスの形にしたということです。
地域住民の足として活用されることが期待されています。
一方で民業圧迫や安全性の面で課題もあります。
亀の井バスの担当者は「エリアの住み分けをするなど上手く共存していかないとバスの減便・廃止につながる可能性もある」と心配していました。
ライドシェアの事業を担当する別府市企画戦略部の佐藤さんは「タクシーやバスの営業を圧迫しないということが1番大切足りていないところをライドシェアで補うイメージ」としていてあくまで既存のバス路線が少ない「空白」のところにライドシェアを活用するとしています。
そしてもう1つ、一般の人が運転するというところで安全性も気になります。
佐藤さんは「運転手になる人にはきちんと研修を行い安全を担保していきたい」と話しています。
別府市ではバスやタクシーの運転手の離職による人手不足と観光客の増加が今後も続くと見込まれることからライドシェア導入を決めました。
中心部に交通機関が集中し周辺地域にしわ寄せが来ないよう、住民の足としての活用が期待されます。