こちらは「はと座(鳩座)」の方向約3400万光年先の渦巻銀河「ESO 422-41」です。ESO 422-41は地球に対して正面を向けた位置関係にあり、明るく輝く中心部を幅の広い2本の渦巻腕(渦状腕)が取り囲んでいる様子が捉えられています。

【▲ 渦巻銀河「ESO 422-41」(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick)】【▲ 渦巻銀河「ESO 422-41」(Credit: ESA/Hubble & NASA, C. Kilpatrick)】

ESO 422-41では大質量星が起こすタイプの「II型超新星」とみられる超新星「SN 2020ocz」が2020年7月に見つかりました。II型超新星は進化した大質量星内部の核融合反応によって鉄のコア(中心核)が生成されるようになった頃、核融合のエネルギーで自重を支えることができなくなったコアが崩壊し、その反動によって恒星の外層が吹き飛ぶことで爆発に至る現象だと考えられています。

この画像は「ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope: HST)」の「掃天観測用高性能カメラ(ACS)」で取得したデータ(可視光線と近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されました。ハッブル宇宙望遠鏡によるESO 422-41の観測は、II型超新星が発生する環境をより深く理解するための研究の一環として2023年11月に実施されています。

冒頭の画像は“ハッブル宇宙望遠鏡の今週の画像”として、欧州宇宙機関(ESA)から2024年4月22日付で公開されています。

 

Source

ESA/Hubble – Captured on glass

文・編集/sorae編集部