慌ただしい日々の中で、最近「暮らし」とは何か?をボンヤリと考えることが増えた。「生活」と言われれば、一般社会で生きることや、生きるために必要な行動というイメージを持つ人が多いだろう。

しかし「暮らし」と言われた時に、思い浮かべるものはその人が、生活する上で何を大切にし、どういう風に生きたいのか?という概念のようなものになると思う。

人の数だけあるのが「暮らし」ならば、それぞれの人に合わせた「暮らし」を提供する場所も必要だと思うのだが、まさにそんな「暮らしの全てを一緒に考え、提供してくれる場所」を見つけた。住宅展示場・雑貨や家具を販売するショップ・カフェという、一見バラバラな目的を持った要素が三位一体となっている『ファベルスペース』だ。

『ファベルスペース』は、2020年9月にオープンした”新感覚の住宅展示場”。温かさを感じられる木をベースに、スタイリッシュな階段や照明などがバランスよく設置されている店内は、1階が食器やインテリアなどの小物、洋服などを購入できるスペースとなっており、広々とした2階は、カフェスペースとなっている。

 実際にカフェスペースで使用されているテーブルや椅子など、全て購入でき、カフェと家具販売を兼ねつつ、新築やリフォームなど、様々な住宅に関する相談ができ、総合的な暮らしのサポートをしてくれる場所だ。

ありそうでなかった「暮らしを楽しむための切符」を与えてくれるかのような空間といえるが、そんな”職人の夢”という意味を持つ『ファベルスペース』を作ったきっかけは何だったのか?

「住宅展示場といえば、家を建てたいなどの限られた目的をもって来る方が多く、人が入りにくい場所というイメージがあるかと思います。だからこそ、たとえ目的がなくても気軽に来ていただき、自然と落ち着ける空間を作ることで、住宅展示場に対するハードルを下げたいという思いがありました。たとえばカフェで使っている椅子の座り心地を気に入ってくださり、ご購入に繋がったお客様もいらっしゃいます。まずこの空間を体験して癒され、楽しんでほしいという想いが、『ファベルスペース』という場所のコンセプトです」(マネージャー・石井さん)

そんな誰にとっても落ち着く空間にしたいという思いから生まれた『ファベルスペース』は、飲食部門、家具や雑貨、衣服などの販売部門、建築・リフォーム部門という三つの部門に分かれ、それぞれのプロフェッショナルが集い、独自の空間を作り上げるために力を発揮しているという。

「それぞれの部門の人たちは互いにリスペクトしながら、三つの要素が一つの『ファベルスペース』という独自性やちんと調整しながら、全体の調和をとっています。コンセプトに昇華できるように、常に会議などでもきちんと調整しながら、全体の調和をとっています。どの部門でも働くすべての人に共通するのは、お客様のニーズに応えられる”提供したいもの”を、お客様のためにしっかりこだわって届けたいという想いだと思います」(マネージャー・石井さん)

母体の株式会社織部工務店の代表は、かつてテレビ番組やCM撮影の舞台装置の制作を務めていたそうで、口癖は「普通の見せ方では面白くない」なのだという。

住宅展示場であり、インテリア、アパレルショップでもあるのに、カフェでは本格ディナーも楽しめるという、確かに「普通ではないからこそ、生まれる面白さ」が、『ファベルスペース』の随所随所に現れている。

メインの鶏ももロースト春野菜のバーニャカウダーソース

人気の女子会コースは4000円という手頃な価格にも関わらず、前菜、パン、サラダ、グラタン、メイン(肉または魚)、パスタ、デザートという本格的なラインナップを楽しむことができる。

お昼のランチやテイクアウトも人気で、食材で常に変化を持たせながら、日々の暮らしの楽しさを”食”でもしっかり提供している。

オーダメイドのジェンダーリビールケーキ

また暮らしの中に欠かせないのが、記念日などの特別な日だろう。

 大切な人の誕生日をお祝いするケーキや、赤ちゃんの性別をサプライズで伝えるジェンダーリビールケーキ、母の日祝いのケーキ、推し活ケーキなど、さまざまな特別な日や祝う側の気持ちに対応した、オーダメイドのケーキも発注することができる。今回の取材のために用意していただいたオーダーメイドケーキを見た瞬間、思わず子どもの頃に戻ったように「わぁ!」と無邪気な声をあげてしまうほど、胸がときめいてしまった。

ただ息をして、生命を維持させることだけが「暮らし」ではない。

 暮らしの中で、自分の心が躍る瞬間とどれだけ出会っていけるか? それが良質な暮らしを作るために、最も必要なことなのかもしれない。

 「この食器に、サラダ盛ってみたい」「こんなテーブルで、いつか家族とご飯を食べたい」「こんな壁紙の家に住んでみたい」「今度来たらこのパスタ食べたい」「今度は友達と、ここで女子会したい」「このブラウス着てみたい」

 『ファベルスペース』にいる間、私の中にはたくさんの「したい」が芽生えた。そしてその「したい」が、生きて暮らしを作るための何よりもの原動力なのだと、私は思う。

『ファベルスペース』は、そんな暮らしの中の”遊び心”を教えてくれる場所でもある。

取材・文=SALLiA

 

ファベルスペース
住所:大分市王子北町4-69
電話:097-573-3800
営業時間:10:00〜19:00(日曜〜18時)※19時以降は完全予約制。食事は4名以上より予約可
定休日:水曜
駐車場: 12台、ほか第2駐車場6台あり
HP:https://www.instagram.com/faberspes_official/
地図はこちら
<キーワード>
大分県/大分市/大分カフェ/大分雑貨/雑貨店/住宅展示場/カフェ/大分ランチ/ランチ/大分グルメ