元放送作家の長谷川良品氏が28日、自身のユーチューブチャンネルを更新。テレビ東京系バラエティー番組「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」に関して、ロケクルーが近隣住民から怒声を浴びた動画が拡散され、週刊誌でも報道されたことについて私見を述べた。

 長谷川氏は、ロケが夜の時間帯に行われ、人が集まり騒いでいることに対して近隣住民の女性が声を上げる動画が拡散されたと説明。その上で「私の個人的見解としましては、わずか10秒ちょっとで前後の文脈も不明ですが、完全にアウトだと思います」とバッサリと切り捨てた。

 その理由について、週刊誌の取材に対しテレビ東京側が、午後9時45分の出来事であると認めたことを指摘。「そんな時間帯に住宅地でロケを行うこと自体が問題だと思います。何しろ建設や解体の工事でさえ、騒音規制法で午前7時から午後7時までと決められてる訳ですよ」と、そもそもの時間帯から不適切であったと分析した。

 一方でコンプラばかり重視されるとテレビがつまらなくなる、という意見に対しては「むしろ面白さという表現の幅を狭め、質を落とすことになりかねませんよ」と否定した。

 さらに、コンプライアンスが意識される中、旅ロケ番組の制作に関しては逆行している部分があるとも説明した。「『リアリティー』をエクスキューズ(言い訳)にしたぶっつけ本番の手抜きロケが横行」していると語ると、「かつてはロケハンに何日もかけ、綿密にリサーチした上で許可取りも行っていました」と回顧。「ところが今や大幅な予算削減で、人的リソースを事前調整に割けない。つまり本当の意味で『行き当たりばったり』の旅になってしまった訳です」と続け、準備を怠るテレビ局側を厳しく批判した。

 そして実際にトラブルが発生した際に、「住民からのクレームも、〝リアル〟という正義で押し切られ、タレントは言いくるめられてしまう」と分析。「もはやロケで交渉を行うのはタレントの仕事。その『負担』は視聴者から見れば『加担』に映ってしまう」とタレント側の抱えるイメージダウンのリスクについても言及した。