「今年の暮れには、日本を訪問したいと思います。奈良もよかったですが、今度はもっとディープな日本の地方都市へ行ってみたい」

5月1日に日本を発ち、フランスのパリ、ブラジルのブラジリア、パラグアイのアスンシオン、そしてまたブラジルのサンパウロの順に訪問して6日間でぐるりと世界一周する形になった今回の外遊。

最初に会談したフランス期待の新星は、岸田総理に冒頭のように語りかけたという。会談相手のアタル首相(35歳)は、1月に歴代最年少でフランス首相に就任したばかりで、自身が同性愛者であることも公表。求心力を失いつつあるマクロン大統領にとっての切り札だ。

会談の同席者によると、初めて会った岸田総理に対して、エネルギッシュに話しかけていたという。岸田総理は、そんな次世代のリーダーの姿をまぶしく感じたに違いない。

(テレビ朝日政治部 官邸サブキャップ 澤井尚子)

岸田総理「秋以降」見据えたGW外遊

帰国した岸田総理 2024年5月6日

果たして、アタル首相を迎え入れる“今年の暮れ”に、総理大臣を務めているのは誰か――。

今回の外遊で岸田総理が就任後初めて南米を訪問したのは、ブラジルが議長国を務め、11月にリオデジャネイロで行われるG20=主要20カ国の首脳会合に向けての関係構築という側面が大きい。

外遊中には、ブラジルのルラ大統領が「フミオに来年2025年に、国賓として招待された」と会見で明かす場面もあった。

内閣支持率の低迷が続く岸田総理だが秋以降も「やる気」なのだ。

自民党の総裁任期は3年間で、9月末には任期満了を迎える。秋以降も総理でいるためには9月の総裁選挙で再選されなければならない。

サンパウロ 2024年5月4日

最終日のブラジル・サンパウロでの内外記者会見では、自民党総裁選への出馬や、再選戦略の1つとしての衆議院解散についての質問が出たが、岸田総理は「内外の諸課題について全力で取り組んでいく」など、いつもの言葉を繰り返すのみだった。

ただ、外務省幹部の1人は、上川外務大臣が出席した2月のブラジルでのG20外相会合や、太平洋島サミットの閣僚会合の報告を官邸で聞いていた岸田総理の反応を見て「まだまだ総理はやる気ってことで間違いない」と分析してみせた。

外交というのは、複数のレベルで、下から積み重ねていき、事務方調整、局長級、次官級、外相会合、とあって最終的に首脳会合につながるのが一般的だ。外交に自信を持つ岸田総理は、7月に東京で行う太平洋島サミット、そして、11月のブラジルでのG20首脳会合にも自身が出席する前提で、外相会合でのやり取りなどを詳細に把握するようつとめているという。

外務省が「太平洋島しょ国では、インド太平洋という言葉を使うべきではない」と説明した際、岸田総理は「なんでだ」と何度も説明を求める場面もあったという。
ちなみに理由は、島しょ国の人たちは米中対立など政治に巻き込まれたくないという思いがあるためだ。


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