あなたはレシートをどのように活用していますか?節約アドバイザーの丸山晴美さんは「食費のやりくり力をアップするには、レシートをチェックするのが一番効果的です」と言います。レシートの何を、いつ、どんなふうにチェックしたらいいのか、レシートチェックのポイントを聞きました。

なお、今回ご紹介する情報はすべて2024年3月時点の取材情報を基にしています。
みなさまこんにちは。節約アドバイザーの丸山晴美です。

お金にはトレンドがあって、その情報をキャッチできるか否かで、得する人と損する人に分かれます。私はみなさまに“お金の旬の情報”を“わかりやすく”お届けしていきたいと思います。今回のテーマは「レシートチェック術」!

まずは、1カ月分食べ物関連のレシートをとにかくためる!

家計の見直しとして、よく「1日5分でもその日のレシートを見ましょう」と言われます。まだその習慣がない人は、まず1カ月分のレシートをためるところから始めましょう。

お金の1カ月は、暦の1カ月とは異なります。会社員の場合なら、給料日からは次の給料日の前日までがお金の1カ月。この期間の、外食も含める食べ物関連のレシートをすべて取っておいてください。

自営業やフリーランスなど給料日がない人で入金が不定期な場合は、収支が大きく動くタイミングを区切りに1カ月を決めるとよいでしょう。

店ごと、曜日ごと、時間ごとにレシートをチェック

1カ月分のレシートがたまったら、最初にやってほしいのが「店ごとにレシートを分ける」ことです。
レシートが多くある店は、あなたがよく行く店です。仕事の合間に毎日コンビニに行っている人は、1回の買い物の金額は少なくても、1カ月分にすると大きな金額になるかもしれません。

本当に頻繁にその店に行く必要があったのか、習慣的に行っていただけはないのか、レシートを見ながら振り返ってみましょう。頻繁に行く必要はないと気づく店があったら、次から意識的に行く回数を減らしてください。

また、レシートがすごく長い店は、あなたが「お得ハンター」になりやすい店かもしれません。半額セールなどの値引きにつられて、必要でない商品まで買っていないでしょうか?

店ごとのチェックが終わったら、次は曜日&時間帯別にレシートを分けてみましょう。これでわかるのは、あなたの買い物の傾向です。

週末の日中に長いレシートがある人は、レジャー代わりにスーパーに家族で出かけているのかもしれません。
夜の8時や9時のレシートが多い人は、仕事帰りの疲れているときにスーパーに行くことが多いのかもしれません。

人は、心身の状況で買うものが変わります。レジャー気分のときは財布のひもが緩くなってムダ買いが増えがちですし、疲れているときはスイーツやおつまみ、酒などの嗜好品が多くなりがち。

こうしてレシートを見返し、不要な買い物や、行かなくてもよかった買い物にチェックをつけてみましょう。チェックがついたものの合計が「不要だった買い物=これから節約できる金額」です。

改善点をメモして何度も見ることで買い方が変わる!

レシートチェックで今後の改善点を見つけも、放っておくと忘れて、また同じことを繰り返してしまうもの。気づいた改善点は紙に書き出して目のつくところに貼っておいたり、スマホのメモ帳などに書き込んだりして、よく見るようにしましょう。

私は気づいたことを食材の買い物専用に使っているスマホのメモアプリに記録しています。買い物に行くときは必ずそのメモを見るので、そのたびに「この店は行かないようにしたんだ」と思い出します。それを繰り返すことで習慣化され、買い物の仕方が変わっていくのです。

レシートチェックは自分の買い物の仕方やクセに気づき、それをどう改善するか、自分の取り扱い説明書を作成する作業です。
これをすることで、自分に合った食費の節約や買い物の方法に気づくことができると思います。

教えてくれたのは・・・
丸山晴美さん
22歳の時に節約に目覚め、1年で200万円を貯めた経験がメディアに取り上げられ、その後コンビニ店長などを経て2001年、節約アドバイザーとして独立。ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザーなどの資格を取得。身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを、テレビやラジオ、雑誌、講演などで行なっている。著書は「シングルママの『お金に困らない』本」(徳間書店)、「50代から知っておきたい!年金生活の不安、解消します」(共著)(幻冬舎)、「お金を活かす ハッピーエンディングノート」(東京新聞)「節約家計ノート2024」(東京新聞)steady.特別編集「知識ゼロでもまるっとわかるお金の基本」(宝島社)など多数。

構成/サンキュ!編集部