大掃除といえば年末のイメージですが、最近は春にも大掃除をする……なんて声もチラホラ聞きます。春の大掃除はやったほうがいいのか?ハウスクリーニングのスタッフとして働く掃除のプロ、土井恵子さんに聞きました。

春の大掃除、やったほうがいい?

「春の大掃除」はやったほうがいいのか、ハウスクリーニングのプロ土井さん聞いてみたところ「春の大掃除は絶対にやったほうがいいです」との答え。

その理由はいくつかあるそうですが、いちばんは、年末の大掃除をしてから3カ月以上が経過し、そろそろ汚れがついてくるころだからだそうです。

また、これまで取りづらかった油汚れなどは気温が上がることで落としやすくなるというメリットも。掃除をする際に重要な「換気」も春であればしっかりできるところも、春の大掃除をおすすめしたいポイントだと言えるそうです。

それでは、春の大掃除は、どんな場所をどう掃除すればいいのか?そちらも聞いてみました。

1.まずは窓や網戸を掃除しましょう

まず、季節を問わず、掃除をする前には換気をしましょう。冬は寒くてなかなか換気できませんが、春なら怯むことなく換気できます。家の窓などをすべて開けることから掃除を始めます。

そして、この開けた窓や網戸を掃除しましょう。春は花粉などで網戸や窓ガラスが汚れている場合があるからです。また、外と家の境界である窓や網戸、さらにベランダや玄関などの花粉やホコリを除去していきましょう。

もちろん、花粉症の人は対策をお忘れなく。

2.換気扇やレンジフードなどを掃除しましょう

外と家の境界といえば、換気扇やレンジフードなどがあります。とくに油汚れがついているレンジまわりは、気温が上がり、油汚れが落ちやすくなる春にこそ掃除をしておきたいところです。

換気扇は部品を取り外して、中性洗剤を入れたぬるま湯に漬けておくだけで簡単に汚れが落ちます。また、レンジフード本体は洗剤をつけた雑巾などで汚れを拭き取ればいいでしょう。冬よりも春のほうが油汚れは簡単に取れるはずです。

3.乾燥している春こそ水回りの掃除をしましょう

キッチンのシンクやお風呂場など水回りの掃除は乾燥している春こそ済ませておきたいところです。

季節が進み、初夏や梅雨のシーズンになると湿気が高くなり、水まわりの掃除はけっこう大変です。というのも、水回りの掃除にとって、重要なのは掃除をしたあとにきっちり水滴を拭き取り、乾燥させることだからです。水滴が残っているとそれがまた汚れの原因になってしまいます。

冬ほどではありませんが春もまだ湿度が低いですし、気温が高いので水を使うのもそれほど苦になりません。春の水回り掃除は十分に効果的なのです。

4.暖房器具や加湿器はしまうまえにきっちり掃除を!

冬のあいだ使っていた暖房器具や加湿器などはきちんと掃除してからしまいましょう。掃除せずそのまましまってしまうとカビや菌が繁殖することがあるので、気をつけてください。

とくに加湿器はタンクやフィスター部分をしっかり洗いましょう。洗い方は取り扱い説明書に書かれているので、それを確認してみてください。

なお、掃除のあとはしっかり乾燥させることも忘れないでください。これをしないとカビや菌が発生することもあります。

加湿器の菌が原因による肺炎に“加湿器肺炎”というものがあり、加湿器を販売するメーカーのサイトでも注意喚起が行われています。じつは筆者も加湿器肺炎になってしまった経験があります。加湿器のメンテナンス不足は健康被害につながる可能性もあるので、十分にご注意ください。

まとめ:できれば四季ごとに大掃除できるのが理想

春の大掃除をやっておくと夏の掃除が楽になります。掃除はできるだけこまめにやることで、汚れが最小限になるため、できれば一年でそれぞれの季節で大掃除をすることはおすすめです。

また、こまめに掃除するということでは、お風呂場などは、使ったその日のうちに軽く洗い、よく乾燥させておけば、深刻な汚れにはなりません。春の大掃除にかぎらず、日々の掃除をきちんとこなしていきましょう。

◆教えてくれたのは・・・土井恵子さん
アパートやマンションの原状回復工事、在宅ハウスクリーニングを請け負う会社に長年勤務したのち独立。現在はフリーでハウスクリーニングの業務に携わっている。

◆監修・文/増田剛己
WEBや雑誌などで散歩関係の記事を書いているフリーライター。主な著書に『歩考力』(ナショナル出版)、『思考・発想にパソコンを使うな』(幻冬舎新書)などがある。※記事の内容は記載当時の情報であり、現在と異なる場合があります。

構成/サンキュ!編集部