暖かくなってくると、目撃頻度が高くなるのがゴキブリ。

ヤツらは生命力や繁殖力が非常に高く、完全に撲滅させるのは決して簡単なことではありません。しかし、その特性を知れば、出にくい家にすることは可能です。

ゴキブリが「出る家」の特徴を知り、どんな点に注意して生活すればいいのかを、暮らしスタイリストとして料理を始め家事全般の情報を日々発信されている河野真希さんに伺いました。

「汚い家」には出る!

ゴキブリは、ゴミ捨て場や排水口といった汚い場所によく出るというイメージがあります。なぜそういった場所を好むかというと、汚い場所にはゴキブリの求める食べ物があるから。いわゆる人間の食べ物から出た生ゴミに限らず、油や髪の毛、ホコリまで、ゴキブリは好んで食べるんです。

ゴキブリに遭いたくなければ、しっかりと掃除をするのが基本中の基本です。キッチンのコンロ周りに飛んだ油や、バスルームの排水口に溜まった髪の毛なども要注意。ちなみに、ゴキブリは水1滴だけでもしばらくは生きられるといわれているので、水気もしっかりと拭き取るよう心がけてください。

1階の部屋は出る!

ゴキブリは、家の中にのみ生息しているわけではありません。屋外にもたくさんのゴキブリがおり、より多くの餌がある場所を求めて家に侵入してくることがあります。そのときに入りやすいのは低い階の部屋。ゴキブリは飛ぶこともできますが、高く飛ぶのはあまり得意ではありません。そのため、這って移動できる1階の部屋に入りやすくなるのです。

とくに、近所にゴミ捨て場や飲食店があったり、庭に茂みや樹木などの植わった庭があったりするときは要注意。ゴキブリが多くいる可能性があります。苦手な人は、物件選びでは上層階を選ぶ方が安心です。

植物を育てている家は出る!

植物を育てている鉢やプランターは、時としてゴキブリの好む環境になることがあります。水をあげ続けるために適度な湿気があり、肥料が餌になります。鉢やプランターの裏に居着いたり、土に産卵をすることも。

観葉植物は置かずに、フェイクグリーンなどを利用するのもひとつの手。すでに大事に育てている植物がある場合は、こまめに鉢の裏などを確認し、肥料を置きっぱなしにしないようにしてください。

なお、ベランダや庭など屋外に置いていた植物を室内に持ち込むときも注意が必要です。そこにゴキブリが潜んでいないか、しっかり確認をして、場合によっては殺虫剤を使ってから持ち込むようにしましょう。

窓や玄関を開けっぱなしにする家は出る!

ゴキブリはどこから家に入ってくるのかというと、排水口や換気扇などの小さなスペースはもちろんのこと、窓や玄関から堂々と入ってくることもあります。

数mmの幅があれば、どこでも侵入できるともいわれるゴキブリ。玄関や窓を開けるときはできるだけ素早く開け閉めし、風通しのために窓を開けておく場合も、網戸を隙間なくきっちりと閉めるようにしましょう。また、玄関や窓を閉めたときに隙間ができていないかも確認してみましょう。

排水管や換気扇、エアコンのドレンホースなどもゴキブリの侵入経路といわれています。ネットをかぶせたり、隙間テープを貼るなどして、対策をしておくことをおすすめします。

通販が好き、宅配便が多い家は出る!

ゴキブリが家の中に入ってくる可能性のひとつとして、屋外から持ち込まれる段ボールが挙げられます。段ボールはゴキブリが好む、暗くて狭くて温かい場所という条件を兼ね備えています。

通販をよく利用する人は、段ボールで荷物が運ばれてくることが多いと思いますが、そこにはゴキブリが潜んでいる可能性も。とくに再利用されたものや食品を入れていた段ボールは要注意です。

通販で利用した段ボールは家にずっと置きっぱなしにせず、できるだけ早く処分をしてください。また、引っ越しの際にスーパーやドラッグストアなどで段ボールをもらってくることがあるかもしれませんが、新居にゴキブリを連れて行ってしまう可能性があるので、おすすめしません。できれば新品の段ボールを利用しましょう。

電化製品の多い家は出る!

ゴキブリは暖かい場所を好みます。熱を発する家電の側はゴキブリにとって快適な環境。実際に家電の裏、エアコンや配電盤の中などにゴキブリが入り込み、漏電や故障の原因となる事故も起こっています。

だからといって、必要な電化製品をなくしてしまっては生活が不便になってしまいますよね。ゴキブリを家に出さないため、また家電を安全に使うためにも、熱が溜まりそうな場所にゴキブリ駆除剤を設置したり、定期的な掃除を心がけるようにしましょう。


◆監修・執筆/河野 真希
暮らしスタイリスト・一人暮らしアドバイザー・料理家。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしをつくる、はじめるためのライフスタイル提案を行う。流行や思い込みにとらわれずに、無理なく持続可能で快適な自分らしい暮らしづくりを応援。 『料理教室つづくらす食堂』主宰。

構成/サンキュ!編集部