【MLB】ブルージェイズ2−4ドジャース(4月27日・日本時間28日/トロント)

 ドジャースの大谷翔平投手が「2番・DH」で先発出場、ブルージェイズの菊池雄星投手と、今季初の「花巻東対決」で3打席対戦し、3打数1安打だった。第1打席はセカンドゴロ、第3打席は空振り三振と菊池に軍配があがったが、インパクト抜群だったのは第2打席に大谷が放った、異次元の打球速度を伴ったライト前ヒット。試合後、菊池は「打球が速すぎて見えなかった」とまで語った。

【映像】大谷VS菊池、真っ向勝負が生んだ192キロの打球

 花巻東OBとしては、菊池が3期上の先輩だが、メジャーリーグでは大谷が2018年からエンゼルス、菊池が2019年からマリナーズと、大谷が1年先。互いの力を認め合う良き先輩・後輩だが、メジャーの舞台では前日までに大谷が20打数6安打・3本塁打で打率.300。菊池も十分抑えているものの、ここぞという場面では大谷が強烈な一撃を浴びせている印象だ。

 大谷は昨年、右肘手術を受けて打者に専念。投手として登板することがない分、フィジカルのさらなる強化と打撃技術向上に時間を費やせたのか、開幕直後から驚異的な打球速度を連発。打率も大きく3割を超え、連発する二塁打から「ミスターダブル」とも呼ばれ始めている。菊池も昨シーズン、メジャー初の2ケタ勝利をあげると、前日までは2勝1牌、防御率2.28と上々の成績を収めていた。

 グラウンドにいた選手、スタンドで見ていたファンも「見えない打球」と驚いた打球は、キャリア史上最高レベルで仕上がった2人だから生まれたもの。菊池が投じたストレートは今季最速の98.2マイル(約158キロ)で、これをハードヒットした大谷が打球速度119.2マイル(約191.8キロ)という自己最速、球団最速、今季メジャー最速という打球を生み出した。

 今季はドジャースとブルージェイズの試合はあと1試合で、大谷と菊池が対戦するには、どちらかがトレードするしかないが、おそらくは来季までおあずけ。来年もまた熱く、記録にも記憶にも残る名勝負になるだろうか。
(ABEMA『SPORTSチャンネル』)