5月24日、日本サッカー協会は記者会見を開いてFIFAワールドカップ2026アジア2次予選 兼 AFCアジアカップサウジアラビア2027予選に臨む日本代表メンバーを発表した。

【映像】久保、鈴木の状況説明をする山本ND(07:26〜)

 6月6日にアウェーでミャンマー代表(トゥウンナ・スタジアム)、6月11日にホームでシリア代表(エディオンピースウイング広島)と戦う2連戦に向けて、日本代表の森保一監督は26人を選出。注目されたのが、MF久保建英(レアル・ソシエダ)とMF鈴木唯人(ブレンビー)の招集だ。

 いずれも現在22歳の久保と鈴木は、いわゆるパリ五輪世代。パリ五輪予選を兼ねた今年4〜5月のU-23アジアカップは欧州シーズンの真っ只中なこともあり招集外となったものの、7〜8月開催のパリ五輪本選は参加が取り沙汰されてきた。

 この6月はA代表がワールドカップ予選、U-23代表が強化試合を予定しているが、久保と鈴木はA代表で招集された。この点について質問が飛ぶと、日本サッカー協会の山本昌邦ナショナルチームダイレクターが回答。「サムライブルー(A代表)が最優先というのは基本中の基本になります」としながら、次のように続けた。

「久保と鈴木のU-23代表(パリ五輪)の招集に関しては、長い時間をかけて所属クラブと継続的に丁寧にやり取りをしてきました。しかし、FIFAルールでIW(インターナショナルウィーク)以外は選手を(強制的に)招集できません。そんな中でクラブ側は久保、鈴木を(パリ五輪には)出さないという結論に現状は至っている。そんな中で今回はA代表に招集し、9月の最終予選に備えるという流れになっています」

 パリ五輪の開催時期はIW期間外のため、そもそもクラブ側は所属選手を各国代表チームに貸し出す義務がない。さらにオリンピックはU-23世代のコンペティションであり、クラブの準備期間であるサマーキャンプの時期と重なるため、欧州のクラブは選手派遣を拒む傾向が強い。そんな中で久保と鈴木に関しては、現状でレアル・ソシエダとブレンビーがパリ五輪派遣に後ろ向きなのだという。

 ただ、仮に久保と鈴木が今夏に移籍して所属クラブが変われば、事情が一変するのも事実。その点について質問が出ると、山本ナショナルチームダイレクターは「その点については難しさを感じています」とし、以下のように説明した。

「(2人に)移籍の可能性があることはもちろん承知しています。本人、クラブ、代理人と常にそこの確認は取り合っております。ですので、具体的にはまだ何も決まっておりません。(パリ五輪の登録メンバー)期限に向けて鋭意努力をするんですが、極めて難しい状況というのが、久保と鈴木についての状況だとご理解いただきたい」

 少なくとも現時点では、日本のU-23世代で屈指のタレントである久保と鈴木が、パリ五輪に出場できる可能性は限りなく低そうだ。

(ABEMA NEWS)