和歌山県町村会(会長=岡本章九度山町長)は24日、自民党の二階俊博元幹事長の公設秘書で、二階氏の三男に当たる伸康氏(46)に、次期衆院新2区への立候補を要請した。伸康氏は「今は秘書の立場。これまで二階代議士を支えてくれた方らにも相談して結論を出し、しかるべきタイミングで返事したい」と話した。

 町村会副会長の日裏勝己印南町長、西前啓市古座川町長の同席の下、岡本会長が印南町印南の町役場で伸康氏に要請書を手渡した。
 新2区については、旧3区選出の二階氏が出馬を予定していたが、派閥の政治資金パーティー問題の責任を取る形で不出馬を表明。後継については「地元の判断に委ねる」としていた。
 岡本会長は「二階(俊博)さんが和歌山県のため、国のためにやってきたことを秘書として全部見ている。中枢の部分を見て来ているので、県のため、国のために即戦力として頑張っていただけると期待している」と述べた。
■伸康氏「早く返事したい」
 受け取った伸康氏は「町村会からの要請は重く受け止めている。しかし、この場で私の一存で判断できかねる。関係者に相談して熟慮を重ね、なるべく早い段階で返事をしたい」と答えた。
 その後のインタビューで伸康氏は政治と金の問題について「秘書という立場なので責任はあると考えている。次の選挙に自ら手を挙げる資格があるのかどうかと思う。その中での出馬要請は想像だにしなかった」、国会議員の世襲については「今の段階では出馬は仮定。そういった段階になれば明らかにしたい」と語った。
 町村会の伸康氏への出馬要請は、23日に和歌山市のホテルであった臨時理事会で全会一致で決定した。田辺市議有志も近く伸康氏に出馬要請をする。
■鶴保氏に要請も くら替え見送り
 町村会臨時理事会では、衆院新1区の候補予定となっている鶴保庸介参院議員に対し、近く岡本会長からくら替え見送りを求めることも決めた。
 同党の世耕弘成参院議員の離党や二階氏の次期衆院選不出馬により「町村長にとって、頼る人がいなくなる」のが理由という。党所属県議有志もくら替え見送りを要請していて、鶴保氏は検討しているという。