和歌山県北山村は3日、急流を筏(いかだ)に乗って下る「北山川観光筏下り」の今季の運航を始めた。ゴールデンウイークを利用して訪れた乗客らの歓声が、新緑の渓谷に響いた。9月末まで。
 木材を輸送する手段だった筏流しを観光に活用しようと、北山村が1979年から始めた事業。村が運営を「北山振興」に委託しており、乗船場のあるオトノリから小松までの約6キロを約70分かけて下る。「北山川の筏流し技術」は、林業遺産や県指定無形民俗文化財になっている。昨季は約4800人が乗船した。
 この日はオトノリ乗船場で式典があり、関係者が安全を祈願。丸太で組んだ全長約35メートルの筏4隻に乗り込んで順番に出発し、急流に差しかかると筏は大きく揺れ、乗客が歓声を上げていた。 
 観光筏下りは5、6月が土日曜と祝日に運航し、7〜9月は木曜以外に運航する。乗船できるのは10〜75歳で、予約制。料金は中学生以上6600円(税込み)、小学生3300円(同)。
 問い合わせは、北山村観光センター(0735・49・2324)へ。