<中日クラウンズ 初日◇2日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース (愛知県)◇6557ヤード・パー70>

地元・名古屋市出身の小木曽喬が4バーディ・2ボギーの「68」で回り、2アンダー・9位タイで初日を終えた。


2015年にプロ入りを果たし、ツアーデビューが2016年の今大会で思い入れもある。今年で8度目の出場となるが、何度ラウンドをしても「難しい」と感じていた。コースの総距離は6557ヤードと比較的短いが、ドッグレッグが多くグリーンを広い視野で狙うためには、ティショットを飛ばしすぎないことや、フェアウェイのどの位置に置くのかなどがカギとなる。

「フェアウェイからじゃないとピンを狙えないホールでフェアウェイに行かなかったので、センターに乗せることを考えてやっていた。ラフも伸びてきて、ちょっとフライヤーの心配もあったんですけど、その辺の距離感もだいぶ合っていたので、そこについては収穫もあったかなと思う」

ラフからのショットでもマネジメントを上手く切り替えながら、大崩れなくアンダーパーで回り切った。それは残り3日間への自信につながるラウンドとなった。

小木曽は昨季24試合に出場し、予選落ちはなくトップ10入りが3回。限られた人数しか出場できない国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」にも出場し7位タイで終えた。安定感のあるゴルフで初のシード権を獲得し、今季に挑んでいる。

すべての試合で4日間プレーをし続けられた理由を自己分析してもらうと、「調子の波が変わりやすくて、人よりすごいスイングが変わりやすいタイプだからかもしれません」と、“安定”とは真逆の“変わりやすい”とまさかの回答だった。

「そのタイプのほうが、悪くなったときにすぐ(もとのスイングに)戻すことができる。この悪くなったときの察知能力だけちゃんとしておけば戻せるのでそこが良いのかなとは思いますけどね。でも、すぐ変わらないほうが本当いいので、その部分の安定感はもっと出していきたいかなとは思っています」

スイングが変わりやすいということを理解できているからこそ、少しのズレが起きたときに気づくのが早くなる。そして、「変わりやすい」ということは自分で動き変えやすくなり、もとのスイングに戻すことができる。試合中でもそれができるからこそ、崩れることなく安定したゴルフができるということだ。

そんな強みを持つ小木曽の応援には「(地元の)知り合いの方も来てくれていた」と家族や友人、地元ファンが観戦に来ていた。なかには行きつけの歯医者の先生も。そんなひとたちのためにも「春にいい試合が続いていくなかで、(和合は)得意コースでもある。早めにいい成績を出したい」。レギュラーツアー初優勝にかけてこのまま良い位置で決勝ラウンドに進みたい。(文・高木彩音)


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