<RKB×三井松島レディス 最終日◇12日◇福岡カンツリー倶楽部 和白コース(福岡県)◇6305ヤード・パー72>

10位タイから出た38歳のベテラン藤田さいきが輝きを放った。7バーディ・1ボギーの「66」と好スコアをたたき出し、2位タイでフィニッシュ。首位を猛追する存在として試合を面白くした。


セカンドカットが実施され、スタート時間も前倒しになるほどの荒天に見舞われた最終ラウンド。「もう、覚悟を決めて『18ホール行くぞっ』っていう感じでした」と、ベテランはイレギュラーな状況で自らを奮い立たせた。「セカンドカットの連絡があって、(スタートは)何時になるんだろうと思ったら、40分も早くなってたから、4時半起きです」。いきなりの早起きになったが、その表情は涼しい気だ。

大雨が降りしきるなかで好プレーにつながった要因は「打ち急いだり、慌ててやらないこと。変わらずペースを崩さないこと」。いたってシンプルなことだが、多くの経験を積んできたからこそ基本に忠実に、丁寧なプレーを心がけた。

バーディを量産すると、次第に首位の背中も見えてきたが、「11(アンダー)が出る人(岩井千怜)が、落とさないから(笑)」といたって冷静。あまり多くを期待せずに自分のプレーに集中できたことも奏功した。

「全米に向けて色々準備している状態で、自分のゴルフがこんな感じでできるんだったらすごく良い」。4月に行われた「全米女子オープン最終予選」で3位に入り、5月30日に行われる本戦出場を果たす藤田にとって、タフなコンディションのなかでの好結果は景気づけにもなる。

2022年「AIG女子オープン」(全英女子)で海外試合初出場。当時すでに36歳だった。全米女子は、それ以来の海外メジャーとなる。「この歳にして、(挑戦したいと)思っちゃったんです。だからできる限りはチャレンジしたいなと思う」。聖地・セントアンドリュースで行われるAIG女子オープンの出場も狙っている。6月に行われる「宮里藍 サントリーレディス」で上位2人に入れば出場権を獲得できるとあり、「そっちも目指して頑張りたい」と闘志を燃やす。

国内女子ツアーに海外メジャー参戦とこれからハードなスケジュールをこなしていくが「休んでてもゴルフするんで(笑)」。そのバイタリティには脱帽するばかりだ。(文・齊藤啓介)


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