<〜全英への道〜ミズノオープン 初日◇23日◇JFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部(岡山県)◇7461ヤー

今季は日本人として初めてLIVゴルフにフル参戦している香妻陣一朗が、1イーグル・6バーディ・2ボギーの「66」で回り、首位と2打差の5位タイで初日を終えた。


1番からスタートすると2番から圧巻の5連続バーディ。「3番で、ダフって左に行ったのが傾斜で戻って1メートルに寄った。それが流れを良くした」。塞翁が馬ではないが、このミスショットが最終的に5連続につながった。さらに18番パー5ではピンまで225ヤードのセカンドを4番アイアンで放つとピン3メートルにつけイーグル締めとした。

初日を振り返って「パッティングが良かった。ティショットはほとんどラフだったんですけど」。数字で見てみるとフェアウェイキープ率は14.3%と131位タイではあるものの、パーオン率は72.2%と17位タイ、パット数は「26」とグリーンを狙うショットとパッティングが安定した。

好調の要因に挙げたパッティングについては「体重のバランスだとか基本的なことを見直しながら(いい感覚が)戻ってきつつある」と、今季に入り強みであるパッティングに悩みを抱えていたようだが、徐々に解決に近づいているようだ。ちなみに過去の平均パット数を見てみると2023年は「1.7386」の12位、22年は「1.7237」の7位、20-21年シーズンは「1.7393」の4位と毎年上位に位置しており、パット巧者ぶりが見てとれる。

そして香妻と言えば、やはりLIVでの生活が気になるところ。そんな一面も教えてくれた。ケビン・ナ(米国)が率いる「アイアンヘッドGC」に所属しているが「チーム戦なので、チームで動くことが多くて、練習ラウンドしたり、ご飯食べたり、みんなが思っているほどチーム感が強い」。さらに「ほとんどホテルも同じ、朝食会場、夜ご飯を食べる所も一緒なので、選手たちは『朝何やっているんだろ』とか『こんなことやっているんだ』っていうのが分かるので勉強になる」となかなか聞けないLIVゴルフの裏側を教えてくれた。

そこで見る、海外選手はどんなことをしているのか…。「基本的にみんなトレーニングをすごいしている。スタート時間は遅いんですけど、朝とか午前中にがっつりトレーニングしている」と選手たちのバイタリティに驚かされたようで「その場にいたら『僕もやらないと』と思うし、やらなかったら勝てないと思ったりするので自分の中でプラスになる」と厳しいフィールドに身を置いたからこそ得られる刺激がそこにはあった。

もちろん香妻もトレーニングに専念しており「2年前に比べると20ヤードくらいは行っているんじゃないですか」と飛距離アップを実感している。22年のドライビングディスタンスは「286.96」の41位だったが、昨年は「304.63」の8位、今季は「292.84」ヤードの19位と確実にパワーヒッターへと進化している。

第2ラウンドに向けて「(初日は)いいプレーができた。全英に行きたいので、そこを目指して淡々とやるだけです」と真っすぐ前を見つめた香妻。LIVで揉まれたその姿はどこかたくましく見えた。(文・齊藤啓介)


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