老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。

今回は、昭和36年2月生まれの男性からの特別支給の老齢厚生年金についての質問です。

■Q:昭和36年2月生まれの63歳の男性です。まだ会社に再雇用されてますが、特別支給の老齢厚生年金はもらえますか?
「昭和36年2月生まれの63歳の男性です。特別支給の老齢厚生年金は、まだ会社に再雇用されてますがもらえますか?」(ゴッドさん)

■A:再雇用などで給与収入を得ていても、特別支給の老齢厚生年金は受け取れます
再雇用などで給与収入を得ていても、相談者は昭和36年2月生まれの63歳の男性とのことですので、一定の要件を満たしていれば64歳から特別支給の老齢厚生年金をもらうことができます。

注意しておきたいのは、厚生年金に加入して給与収入がある人は、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金含む)の基本月額(老齢厚生年金の報酬比例部分の月額)と、おおよその給与(総報酬月額相当額)の合計が、支給停止基準額の50万円を超えると、老齢厚生年金(特別支給の老齢厚生年金含む)の一部または全額が支給停止になるということです。これを在職老齢年金制度といいます。

支給停止されずに全額、特別支給の老齢厚生年金をもらうためには、基本月額とおおよその給与収入を合計して50万円を超えないように働く必要があります。

相談者が65歳になると、老齢基礎年金と本来支給の老齢厚生年金をもらえますが、65歳以降も継続して厚生年金に加入し給与収入がある時でも在職老齢年金制度に注意が必要です。老齢基礎年金は在職老齢年金制度の対象ではありませんので、支給停止されません。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)

都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。

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