訴状で公開されていたやり取りに注目

 米大リーグ、ドジャースの大谷翔平投手の通訳を長年務めた水原一平容疑者は、銀行詐欺罪で訴追された。大谷の口座から1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正送金したとされている。訴状で判明している賭博の胴元とのやり取りで、愛犬デコピンの“危機”に注目したのは元MLB選手。「連れ去られていたかもしれない」と指摘し、別の元選手も「深刻さで言えば、オオタニが危険にさらされていたかも。冗談じゃなくね」と戦慄していた。

 訴状によると、水原容疑者は2021年9月から賭博を始め、2年余りの間に総額4067万8436ドル(約62億3320万円)の損失を出した。大谷の口座からは1600万ドル以上の大金を不正送金。水原容疑者が銀行側との通話で、自身が大谷であると偽って名乗るなどして送金を可能にしたとされている。

 胴元との緊迫のやり取りも公開されており、2023年11月17日には胴元から「なぜ電話に出ない? 私はニューポート・ビーチにいる。(大谷が)犬の散歩をしているのを見た。返事をよこさないから、どうすれば君と連絡がとれるか彼に直接聞くぞ? すぐに電話してくれ」との脅迫めいたメッセージが届いていたという。

 恐怖に震えたのは元大リーガーのエリック・クラッツ氏、キャメロン・メイビン氏、AJ・ピアジンスキー氏。米国の野球専門ポッドキャスト「ファウル・テリトリー」公式YouTubeチャンネルで「イッペイ・ミズハラはショウヘイ・オオタニの健康とキャリアを危険にさらしたのか?」とのタイトルで公開された動画に出演している。

 恐ろしいメッセージに、ピアジンスキー氏は「彼の犬が連れ去られていたかもしれない」と注目。大谷の愛犬デコピンの身を案じた。司会のスコット・ブラウン氏は「深刻さでいったら、オオタニが危険にさらされていたかもしれないところまで来ていた。冗談じゃなくね」と話した。

 メイビン氏も同意見で「そこまで深く入り込んでいたのは恐ろしいよ。ああいった種類の金のことを考えるとね。取るに足らないことのために人生を失うんだ。もっと深刻なことになっていたかもしれない」とコメントしていた。

 水原容疑者はこのメッセージを受けてから2日後、「正直に話すよ。ここ2年間で暗号通貨で巨額を失ったし、スポーツ賭博でもこのザマだ……。単純な疑問なんだけど、何とかして、いくらかで清算できない? 賭博サイトですでに負けすぎてるし……自分の責任なのは重々承知してるけど」との内容を送っている。

(THE ANSWER編集部)