柔道・全日本選手権

 体重無差別で日本一を争う柔道の全日本選手権が29日、東京・日本武道館で行われ、中野寛太(23=旭化成)が初優勝した。準決勝で連覇を狙う王子谷剛志(31=旭化成)に一本勝ちした中野は、決勝で3度目の日本一を目指す16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(33=長府工産)と対戦。8分間の試合時間の序盤に効果的な技を連発し、今大会から復活した旗判定で2-1で競り勝った。

「憧れていた大会で勝つことができて、最高です」と声を弾ませた。初出場は奈良・天理大3年の19年、連続出場で常に上位進出を期待されてきたが、昨年も2回戦で早々と敗退。「1年間、優勝するために頑張ってきました」と、笑顔で話した。

 今大会は7月のパリ五輪、5月の世界選手権個人戦代表選手が出場していない中、世界選手権団体戦メンバーとしての意地をみせた中野は「今年だけではだめなので、来年も勝ちたい」と話し「近いところでは世界選手権で優勝に貢献したい」と言った。

 もちろん、視線の先には世界がある。1学年下で高校時代から対戦してきたパリ五輪100キロ超級代表の斉藤立(22=JES)には先を越されているが「世界選手権や次のロスオリンピック(28年ロサンゼルス五輪)を狙ってきたい」。優勝経験が豊富なベテランたちを次々と破った中野は、力強く言った。

 3位は王子谷とグリーン海斗(22=パーク24)、昨年2位で2度目の優勝を狙った羽賀龍之介(33=旭化成)は3回戦で敗退した。

(THE ANSWER編集部)