地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」が気の早いコラムを掲載

 米大リーグ・ドジャースの大谷翔平投手は5日(日本時間6日)、本拠地ブレーブス戦に「2番・DH」で先発出場し、今季初の1試合2本塁打、4安打の活躍で5-1の勝利に貢献した。優勝候補の筆頭に挙げられる強敵ブレーブスに3連勝。大谷は3試合で12打数8安打3本塁打と大暴れだった。ドジャースの地元紙はここ数年鬼門となっているプレーオフ(PO)に向け、早くも「オオタニがいる10月」に興奮を隠せない様子だ。

 今年は違う。そんな期待を持たせるには十分な躍動だった。大谷はこの日、初回の第1打席で9号2ランを放つと、3回2死の第2打席には左前打、6回先頭の第3打席は中前打をマーク。そして8回先頭で迎えた第4打席には左中間へと運ぶ飛距離464フィート(約141.5メートル)の特大10号ソロを放った。ブレーブス3連戦はこれで12打数8安打、3本塁打6打点と大爆発。スイープに大きく貢献した。

 6年連続でナ・リーグ東地区を制し、今季も優勝候補の筆頭に挙げられるブレーブスを圧倒。興奮を隠し切れないのが地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」だ。「ショウヘイ・オオタニは、異なる10月というドジャースの大いなる夢を持っている」と題するコラムを掲載。著者は、ナショナル・スポーツ・メディア協会の殿堂入りを果たしている同紙コラムニストのビル・プラシュケ氏だ。

 書き出しから「これは10月ではない。10月と混同してはいけない。10月とは関係ない」と自らを戒めつつ、「しかし間違いなく、ブレーブスをスイープしたドジャースの週末は、完全に異なる10月を正当に予期させるものだった」と続けた。直近11年間で10度地区優勝するなどPO常連のドジャースだが、そのうちワールドシリーズを制したのは2020年の1回だけ。POが開催される10月は“鬼門”となっている。

今季は「ショウヘイ・オオタニがいる10月」

 しかし、今季は「ショウヘイ・オオタニがいる10月だ」と同氏は期待する。「なんてことだ、想像は舞い上がる。まるで464フィートの打球のように」「可能性は無限に思える。まるで中堅のフェンスを越えて消えていった412フィートのロケットのように」と大谷がこの日放った2本塁打を交えて詩的に表現。「またも目撃者は形容詞を探す羽目になった」と筆舌に尽くしがたい様をたたえた。

 大谷がブレーブスとの3連戦で見せた大活躍を列挙しながら、「ドジャースはダイヤモンドバックスにスイープされた昨年の10月にこのパワーがあればよかったかもしれない」「得点できずに4試合でパドレスに敗れた2つ前のPOでこの長打があればよかったかもしれない」と、大谷がいればここ2年間に喫した“10月の悪夢”もなかったかもしれないと言いたげだ。

 記事は「5月のスイープを祝福するのはあまりに向こう見ず過ぎる」とはやる気持ちを制しながらも、「この週末が証明したように、信じ始めるのは早すぎではない。ここ11年間、ドジャースにはショウヘイ・オオタニのような選手はいなかった。今はいる。そして何だって可能だ」と期待を持って締められている。

(THE ANSWER編集部)