東南アジアの観光業界などに強い影響力を持つASEANTA(東南アジア諸国連合観光連盟)の年次総会が9日、札幌市であった。この総会がASEAN地域以外で開催されるのは初めてで、市側の誘致で実現した。各国のキーパーソンに札幌の魅力を発信し、誘客につなげる狙いがある。

 ASEANTAは10カ国の政府観光局、ホテル協会、旅行業協会、航空会社などで構成される組織。総会にあわせ、市側は大倉山ジャンプ競技場や北海道神宮、定山渓温泉などの視察ツアーを行った。また、来日した5カ国の16人と地元の観光事業者らとの意見交流会も企画。ネットワーク作りにつなげてもらう狙いだ。

 札幌市によると、2022年度は外国人宿泊者のうち、東南アジアからが2割以上を占めた。新千歳空港との直行便があるのは、24年1月時点ではタイ(バンコク)とマレーシア(クアラルンプール)のみという。

 秋元克広市長はASEANTA幹部に「直行便が増えると行き来がしやすくなる」とアピール。会長のエディ・クリスメイディ・ソマウィラガ氏(格安航空会社エアアジアのインドネシアの責任者)も「サポートします」などと応じた。(原知恵子)