ゲーム・パチンコ機器大手のセガサミーホールディングス(HD)は10日、宮崎市の大型リゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」の運営会社を、米投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」に売却すると発表した。売却額は非公表という。シーガイアはセガサミーHDのもとで経営の立て直しを進めていた。

 セガサミーHDが保有するシーガイア運営会社の全株式をフォートレスに売却する。セガサミーHDは、売却後に議決権ベースで20%の株式を再取得し、引き続き運営を支援するとしている。

 フォートレスは「マイステイズ」ブランドのホテルなど、国内でも多くの宿泊施設やレジャー施設を保有する。日本郵政の宿泊施設「かんぽの宿」の買収も手がけた。

 シーガイアは1994年に宮崎県や宮崎市、民間会社が出資する第三セクターが全面開業させたが、2001年に経営破綻(はたん)し、米投資ファンドに買収された。セガサミーHDは当時統合型リゾート(IR)への参入を目指しており、施設運営のノウハウを得るために12年に4億円で買収。再建を進め、22年度に純損益が黒字に回復した。

 セガサミーHDの里見治紀社長はこの日の決算会見で「リゾートとしての再生が完了したタイミングだった。フォートレスに引き継いだ方が、価値をさらに上げてくれるだろう」と説明した。(田中奏子)