核のごみ最終処分場選定をめぐり、国から文献調査の申し入れを受けた玄海町の脇山伸太郎町長に対し、受け入れに反対する複数の団体が9日、要請書や署名を相次いで提出した。

 今回の動きに合わせ、九州7県の県市町議125人でつくった「核のゴミ最終処分場問題を考える九州議員ネットワーク」は4議員が玄海町役場を訪れ、要請書を担当者に手渡した。「町民への情報の周知や意見交換が十分に尽くされていない」「町民の分断や風評被害の懸念がある」などと指摘し、町長に調査を受け入れないよう求めた。伊藤一之・唐津市議は「近隣市町村にも説明するぐらいの大きな角度でやっていかなければ。町長には九州、全国の課題として判断してほしい」と話し、盛泰子・伊万里市議は「立ち止まって町民へ説明し、判断してほしい」と訴えた。

 また、佐賀と長崎両県の母親有志が立ち上げた「核のごみを考える会」は、文献調査に玄海町が応募しないよう求める署名6366筆を提出。長崎県諫早市の北島美咲代表は「署名活動をしたこともないお母さんたちで、玄海町民(約4900人)の数ぐらい集まればと始めた。あっという間に超え、今回の問題を自分事ととらえてくれている」と話した。玄海町からも19筆の署名があった。そのほか、県原発問題対策協議会など3団体も同様の要請書を出した。

 文献調査は処分場選定の第1段階で、国から調査申し入れを受けた脇山町長は、10日の町議会全員協議会で可否を表明するとみられている。(森田博志)