4月に開館30周年を迎えた高松市塩江美術館(同市塩江町安原上)で、香川県内在住の現代美術家、渋田薫さんの企画展「Sea Sky Nature」が開かれている。7月21日まで。

 渋田さんが同館開設のきっかけとなった画家、熊野俊一(1908〜2005年)の作品を見て、企画展を構想。渋田さんは音から得たイメージを抽象的な絵画で表現しており、熊野が描いたような風景画を手がけたことはなかったが、同展に合わせて熊野の作品をモチーフにした絵画13点を制作。京都府や沖縄県で描いた絵などを含めて計35点を展示している。渋田さんがモチーフにした熊野の作品も13点あり、見比べながら鑑賞できる。

 館内では、渋田さんが京都で知り合ったアーティストの音楽が流れている。

 学芸員の富田詩帆さん(36)は「塩江の自然とともに、音楽と作品からの音の響きを感じてもらえたら」と話した。

 29日午後2時からは渋田さん自ら作品の解説をする「アーティストレクチャー」がある。

 同館は午前9時〜午後5時、月曜休館。観覧料は一般300円、大学生150円、高校生以下と65歳以上は無料。問い合わせは同館(087・893・1800)。(土居恭子)