北海道留萌市の女子高校生(17)が同旭川市の橋から川に落とされて殺害された事件。

 旭川地検は3日、内田梨瑚(りこ)容疑者(21)=旭川市=を殺人と不同意わいせつ致死の罪で起訴し、内田容疑者の友人の女(19)についても同日、殺人と不同意わいせつ致死、監禁の非行内容で家裁送致した。

 捜査関係者によると、内田容疑者と女子高校生の間でトラブルが起きたきっかけは、内田容疑者がラーメンを食べる様子の画像を高校生が断りなく転載したことだった。

 若者の生きづらさやネットが絡んだ犯罪に詳しいフリーライターの渋井哲也さん(54)によると、ネット上のトラブルから被害者が呼び出されて危害を加えられる事例は、遅くとも2000年代前半からあったという。

■日常化するSNS投稿で「他人からどう見られるか」常に気にする若者たち

 ネット上のやりとりを端緒とするトラブルでは、相手と距離を置く時間を十分にとらず、怒りが収まる前に呼び出すなどの行動に移せてしまうことが、事件へと移行しやすい要因のひとつだと分析する。

 また渋井さんは、若者にとってSNSで自分の写真や動画を投稿することが生活の一部になり、「他人からどう見られるかを常に意識する人が増えている」と指摘する。

 このため、第三者が投稿などを拡散した際、投稿者本人や写っている人が望むような見られ方をしなかった場合に、拡散させた側は投稿者らによる怒りや攻撃の対象になる可能性があるという。

 また、渋井さんが、2020年から継続取材している都内の新宿・歌舞伎町にある「トー横」に集まる若者らの場合、グループ内でリーダー格へのLINEへの返信が遅い、TikTokで「いいね」をしない、といったことがきっかけで、トラブルになったケースもあるという。

 「トー横に限らず、リーダー格となる人物が、仲間内での体裁を保つことを重要視し、『示しをつけるため』として、暴行に及ぶこともある」と渋井さんは話す。(平川仁)