憲法記念日の3日、護憲派と改憲派によるイベントが各地で開かれた。

 護憲を訴える「九条の会」などでつくる市民グループは、東京都江東区の東京臨海広域防災公園で「武力で平和はつくれない! とりもどそう憲法いかす政治を」と題して集会を開いた。主催者発表で3万2千人が参加した。

 司法試験指導校「伊藤塾」塾長の伊藤真弁護士は、武器輸出の制限緩和や日米首脳会談で合意された米軍と自衛隊の「指揮統制」の連携強化に触れて、「自衛隊が世界中で戦争をできる部隊に変えられてしまっている」と指摘。「憲法なんかどこ吹く風だという考えで、憲法無視の政治が進もうとしている。世界に誇る憲法の理想に向けて連帯し、憲法をいかす政治を取り戻そう」と呼びかけた。

 東京都千代田区では、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」などが共催し、日本会議などが協賛する改憲派の集会「公開憲法フォーラム」があり、主催者発表で約800人が参加し、オンラインで約1万2千人が視聴した。

 主催者を代表してジャーナリストの櫻井よしこ氏が「戦後の日本国のねじ曲がった国のあり方を立て直すのが憲法改正。岸田首相の背中を押して、政治家が憲法改正に走らねばならない世論をつくりましょう」と呼びかけた。自民、公明、維新、国民民主各党の代表らも登壇した。(渡辺洋介、編集委員・北野隆一)