(1日 プロ野球 東京ヤクルトスワローズ4―0読売ジャイアンツ)

 東京ヤクルトスワローズは、みたび外国選手の活躍が光った。来日4年目のホセ・オスナが一回に先制の3ラン。前々日は新加入のミゲル・ヤフーレが完封し、前日はオスナと“同期入団”のドミンゴ・サンタナが逆転適時打を放った。

 本来なら八、九回を任せる清水昇、田口麗斗を不調で欠く救援陣。ならば、序盤から得点を重ねて投手陣を楽にするのが勝利への近道となる。一回無死一、二塁で打席に立ったオスナは巨人・赤星優志のフルカウントからのカーブを左翼席へ運んだ。

 打席にしっかりと根をおろした下半身に、ぐっとためを作ってバットを一閃(いっせん)。6試合ぶりの本塁打にオスナは「しっかり自分のポイントまで引きつけて打つことができた」と満足そうだった。

 サンタナやヤフーレの奮闘も刺激になっている。「全員いい状態なのはチームに大きな力を与えている。ハッピーだ」。もちろんオスナ、サンタナに挟まれる4番打者への影響も大きい。「見ていて学ぶべきところがたくさんあるし、すごく心強い」と言う村上宗隆は、三回にソロ本塁打を放った。

 今季初の3連勝に貢献大の外国選手について高津臣吾監督は「楽しそうに、一生懸命頑張ってくれている姿は非常にありがたい」。楽しみながら、かつ真剣な彼らのプレーは指揮官の目指す野球の肝でもある。

 ヤフーレは来日してから踏み出す歩幅を狭くするなどして適応している。サンタナは4月28日の阪神戦で決勝点を許した自身の、ややまずい守備を監督にわびた。オスナは好調の要因を「毎日、満足せずに新しいことに取り組んで、コツコツ練習していることかなと思う」と語る。オスナとヤフーレはベネズエラ、サンタナはドミニカ共和国出身。ラテン系の明るいノリとともに、3人には野球に真摯(しんし)に取り組む姿勢がある。ヤフーレはリーグトップの4勝をあげ、打率3割4分4厘のサンタナは現在首位打者、21打点のオスナは打点王だ。

 けが人や不調者が続出して苦しい戦いが続くが、攻撃力についていえば、チーム打率、得点、本塁打数がリーグ1位。開幕1カ月を過ぎて“貯金”を昨季の覇者阪神が独り占めする中、ヤクルトは頼もしい外国選手を中心に反撃態勢に入る。(堀川貴弘)