プロバスケットボールBリーグ3部(B3)の香川ファイブアローズは2日、米プロバスケットボールNBAグリズリーズで今季までプレーしていた渡辺雄太選手(29)に対し、正式にオファーしたと発表した。渡辺選手は香川県三木町出身で、来季から日本でプレーすることを4月に表明していた。

 ファイブアローズはホームページで、渡辺選手へのオファー表明を生岡直人社長名で報告。「引退までプレーしたいという渡辺選手の思いを聞き、オファーに対して全く躊躇(ちゅうちょ)はありませんでした」「クラブとしての事業性が問われる今だからこそ、香川県の宝である渡辺選手と共に、県のプロスポーツ文化を創り上げる真っ向勝負をしたい」などと説明した。

 ファイブアローズは2016年にB2に参戦し、22―23シーズンを終えてB3に降格。今季もB2復帰を逃していた。

■帰国会見では「うどん愛」熱く語る

 渡辺選手は1日、母校の尽誠学園(香川県善通寺市)で開催された激励会に参加。その後の記者会見で、地元クラブであるファイブアローズでのプレーの可能性について問われると、「香川がバスケットを通して盛り上がってくれるのはうれしいこと。ファイブアローズも含めて、オファーをもらっている全チームの話を平等に聞き、考えたい」と話していた。

 また、初めてのBリーグ挑戦については、「日本に帰ってきた一番の理由は、自分がやりたいバスケット、本来好きで楽しんでやってきた気持ちを取り戻したいのが強い。プレッシャーもいろいろあると思うが、楽しみながらやりたい」と語っていた。

 渡辺選手は4月21日に東京で開いた帰国記者会見でも、地元に言及していた。「僕にとっては特別な場所。地元の応援の声はすごく力になっていた」とし、「県民としてうどんを愛している。アメリカにいる間はほぼ毎日うどんを食べていた。(在米の人で)たぶんこの11年で一番うどんを消費した」と「うどん愛」を熱く語る場面もあった。(和田翔太)