イタリア南部カプリ島で開幕した主要7カ国(G7)の外相会合は18日午前、参加国の外相らによる本格的な議論に入った。イスラエルへの報復攻撃に踏み切ったイランへの制裁が最大の焦点になる。ウクライナ情勢では、G7としてあらためてウクライナへの全面支援を打ち出す。

 会合は19日まで予定されており、最終日には共同声明の採択を目指す。議長国イタリアのタヤーニ外相は18日の会議の冒頭、「我々はイスラエルの友人であり、中東地域の緊張緩和を望んでいる」と表明。シリアにある自国の大使館への攻撃をめぐって、イスラエルにドローン(無人機)などで報復を行ったイランに「何らかの制裁を科す必要がある」と述べた。

 一方で、G7の外相はイスラエルに対する自制の要求を模索している。会合に先立って、ベアボック独外相とキャメロン英外相が相次いでイスラエルを訪問。イランへの報復を検討するイスラエルに対して、紛争の拡大につながる行動を控えるように求めたとみられる。

 ロシアによるウクライナ侵攻では、G7各国が凍結した約3千億ドル(約46兆円)に上るとされるロシアの資産をウクライナ支援に活用する方法を話し合う。しかし、資産の没収を主張する米英に対し、フランスやドイツは慎重な立場で、G7の中での意見は割れている。

 日本からは上川陽子外相が出席しており、17日夜の夕食会では、アジア唯一のG7メンバーとして、インド太平洋地域の国々との連携強化に向けた日本の取り組みを説明した。(イタリア南部カプリ島=宋光祐)