イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に加担することが、ジェノサイド(集団殺害)条約などに反しているとして、中米ニカラグアがドイツを提訴した訴訟で、国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は4月30日、軍事支援停止などの暫定措置を出すよう求めたニカラグアの請求を退けた。ただ、ドイツが訴訟を全面的に取り下げるよう求めていたのに対し、ICJは引き続き、双方の主張を審理することも決めた。

 判決を読み上げたサラム裁判長は「現状では、裁判所が暫定措置を出さなければならないような状況にはないと結論づけた」と述べた。一方で、「ガザ地区の壊滅的な生活状況を懸念している」とも言及した。特に、国際法違反につながる武器使用を避けるため、紛争の当事者に対する兵器の移転については、あらゆる国々が国際法上の義務を想起すべきだと強調した。