トランプ前米大統領が大統領退任時に機密文書を持ち出した問題をめぐり、フロリダ州の連邦地裁は7日、今月20日に設定していた初公判の日程を取り消し、期限を定めず延期した。公判を先送りしたいトランプ氏の思惑通りの展開となっている。

 連邦地裁のアイリーン・キャノン判事は、7日に出した裁判手続きに関する文書で、「5月20日の公判期日を取り消す」とした。理由として「事件の複雑性や特異な性質、公判手続きのための十分な準備の必要性」などを挙げた。

 新たな初公判の日程はまだ設定されていないが、判事は5月から7月下旬にかけて、新たに公判前の手続きの日程を設定した。少なくとも初公判はそれ以降になる。

 トランプ氏側が裁判を遅らせたいのは、もし大統領に当選すれば、司法省に起訴を取り下げさせるなどの措置が可能だと考えているためとみられる。