佐賀県唐津市のブランド魚「唐津Qサバ」の出荷が再開された。2023年10月から今年6月までの23年度シーズンは、赤潮の影響などで半年ほど見送りが続いていたが、6月まで1万匹を出荷する見込み。

 Qサバは同市と九州大学が共同開発した完全養殖のマサバ。出荷が再開した15日朝は、市内の呼子港内の養殖いかだから、約300匹が生きたまま港に水揚げされ、専用車で県内や福岡の飲食店などに運ばれた。

 22年夏に発生した赤潮の影響で大半の成魚と稚魚を失うなどして、23年度は出荷できなくなっていた。1年ほどかけ、約30センチ、400グラムに育ったQサバが復活。完全養殖で寄生虫アニサキスの報告例はなく、生でも安全に食べられるという。佐賀玄海漁協の担当者は「出荷できないと漁業者の収入もなかった。さきほど、さばいた人は『脂の乗りもいい』と言っていたので味わってほしい」と話した。呼子台場大漁鮮華(同市呼子町呼子)では1匹1800円(刺し身はプラス200円)。来季は例年の倍に当たる約4万匹の出荷をめざすという。(森田博志)