北海道のヒグマ対策関係者会議が17日、札幌市内で開かれ、道は2023年度に市町村から報告のあった許可捕獲数が過去最多となる1300頭を超えると明らかにした。その後の取材で、今年2月末時点で市町村が報告した許可捕獲数がすでに1416頭(速報値)だったと判明。狩猟による捕獲分も加えると23年度の全捕獲数は過去最多の1500頭前後となる見込みだ。

 道内のヒグマは、全体的には増加傾向にある。死傷者も出ているため、人里への出没を抑える目的の春期管理捕獲などの対策が強化されている。許可捕獲は、人里に出てくるなどして駆除されたヒグマが対象であるため、道ヒグマ対策室は「去年は各地でクマの出没が多く、有害捕獲が多かったのが大きな要因ではないか」と話している。

 環境省は16日、ヒグマなど四国以外に生息するクマ類を指定管理鳥獣に指定したことから、具体的な対策内容が決まる今秋以降、人里への出現を抑えるための捕獲がさらに増える見通しだ。(松尾一郎)