栃木県小山市の前市長の大久保寿夫さん(75)が、漫画冊子「小山のコウノトリ誕生物語」を発行した。同市の渡良瀬遊水地で2020年、東日本で初めて自然繁殖によるヒナが誕生した経緯などを、B5判カラー22ページにまとめた。

 大久保さんは00年から5期務めた市長時代に「環境保全・保護」を市政の最重点課題として取り組んだとし、08年に「環境都市」を宣言。12年には遊水地が国際的に重要な湿地を保全するラムサール条約に登録された。遊水地に人工巣塔(すとう)を設置するなどコウノトリの野生復帰に全力を尽くしてきたとしている。

 冊子は、自分で絵を描き、長女の協力を得て完成させた。オスの「ひかる」が初飛来したときからの様子を市の取り組みとともに描いている。

 大久保さんは「子どもたちはコウノトリって言われてもなかなかわからない。漫画で自然の大切さを学んでもらえたら」。1千部発行で市内の小中学校などに寄贈。市観光協会や市観光案内所、道の駅思川で1冊税込み500円で販売している。(上嶋紀雄)