人口減対策を最重点課題に掲げる高知県は、若年世代の減少に歯止めをかけることを目標に掲げている。しかし24日に民間の研究機関「人口戦略会議」が発表した分析では、2020〜50年の30年間に県内すべての市町村で若年世代の女性が減少。25市町村では減少率が50%を超え、「消滅可能性」を指摘された。

 分析では、20年に5万7834人いた若年女性(20〜39歳)は、50年には3万2588人に減ると推計した。減少率が最も大きかったのは室戸市の80・2%だった。

 「日本創成会議」が14年に発表した同様の調査(10年〜40年の増減率)でも全ての市町村で減少していたが、11市町村で減少率が増加。安芸市と北川村では10ポイント以上悪化した。

 両調査では減少率が50%以上の自治体を「消滅可能性自治体」と分類。今回新たに安芸市と奈半利町、本山町、佐川町が該当し、25市町村となった。一方で馬路村と芸西村は減少率が改善し、「消滅可能性」から脱却した。

 県人口減少・中山間担当の中村剛理事は「東京一極集中が加速しており、改めて厳しい状況を重く受け止めている。人口減に歯止めをかけるため、昨年度に策定した対策を着実かつしっかり進めたい」と話した。(羽賀和紀)

■市町村別の若年女性減少率

高知市   ▼37.6

● 室戸市   ▼80.2

● 安芸市   ▼62.5

南国市   ▼41.4

土佐市   ▼39.2

● 須崎市   ▼61.0

● 宿毛市   ▼65.5

● 土佐清水市 ▼75.2

● 四万十市  ▼51.5

香南市   ▼34.7

香美市   ▼35.3

● 東洋町   ▼76.1

● 奈半利町  ▼50.0

● 田野町   ▼56.7

● 安田町   ▼63.7

● 北川村   ▼70.7

馬路村   ▼48.2

芸西村   ▼41.5

● 本山町   ▼51.3

● 大豊町   ▼78.7

土佐町   ▼43.6

大川村   ▼48.3

● いの町   ▼62.9

● 仁淀川町  ▼66.8

● 中土佐町  ▼72.9

● 佐川町   ▼52.0

● 越知町   ▼63.9

● 檮原町   ▼67.0

● 日高村   ▼64.0

● 津野町   ▼59.0

● 四万十町  ▼61.8

● 大月町   ▼78.0

● 三原村   ▼65.5

● 黒潮町   ▼61.6

人口戦略会議まとめ。●は消滅可能性自治体とされた市町村