空き家の利用を希望する人や空き家を提供したい人が登録する「空き家バンク」について、和歌山県は2023年度に空き家の利用を希望する登録者が過去最多の769人にのぼったと発表した。県は全国的にみて空き家が多く、空き家バンクの運用をさらに拡大し、移住者を呼び込むなど空き家の利活用につなげたい考えだ。

 18年の総務省の住宅・土地統計調査によると、県の空き家率は20・3%と全国最高の山梨県(21・3%)に次いで高かった。

 県は空き家バンクの運用を15年度に始め、各市町村から寄せられる空き家情報をWEBサイト「わかやま住まいポータルサイト」で紹介。所在地や価格、内装といった情報を掲載している。

 県地域振興課によると、登録物件は徐々に増え15年度の55件から23年度には218件に増えた。利用希望登録者も増え、15年度の12人から23年度には769人になった。累計登録者は1095人にのぼり、関心の高さがうかがえる。

 同課によると、23年度の利用希望登録者の内訳は、県内が195人に対し、県外と国外が574人にのぼる。担当者は「地方移住への関心が高まっているのでは」とみる。

 県は登録が増えた理由の一つに、広報の充実やリーフレットの配布を挙げる。今後は、空き家バンクから内見できるサービス「360度VR空き家案内」の運用を広げ、相談窓口の充実をはかる方針だ。同課の担当者は「登録物件数や利用希望登録者数が増えれば、さらなるマッチングの増加が期待できる」と話す。

 わかやま住まいポータルサイトは(https://www.wakayamagurashi.jp/house/)。(松永和彦)