松山市内の大学生が台北を訪れ、俳句などを通して現地の大学生らと交流した。帰国した4人が26日、松山市役所で市幹部らに成果を報告した。

 松山市は台北市と友好交流都市になっている。松山国際交流協会が3月下旬、松山市内の大学生6人を台北に派遣。現地の大学生と俳句で交流したほか、現地で暮らす日本人と座談会をしたり台湾文化を体験したりした。

 大学生らは台湾大学を訪れ、日本語を学ぶ学生たちと俳句について講義を受けた後、キャンパスで吟行を行った。

 逆立ちの つま先が指す 春の星

 愛媛大学3年の永本瑞季さん(21)は、キャンパス内の池の前で現地の大学生が逆立ちしているのを偶然見つけて、こう詠んだ。

 「面白い風景だなと思い、季語を探した。台湾の学生も日本語でしっかり俳句を作っていたことに驚いた。見たものをそのまま詠むというのは同じで、その点も面白かった」と満足そうだった。

 松山大学2年の西下玲さん(22)は「日本統治時代があった一方で、日本のコンビニや企業が現地で活躍している。深いかかわりを知り、台湾がさらに好きになった」と話した。

 成果報告を受け、松山市の松原剛史・副市長は「日本地図を見ると東京が真ん中にあるように見えるが、逆さまにすると四国や九州が台湾や中国などと近く中心に見える」と指摘。「地方では人口減少や東京への流出が言われるが、進路を考える時に今回の経験をいかし、目を西に向けて世界にはばたいてほしい」とエールを送った。(神谷毅)