医師不足が深刻化している山形県西村山地域の医療体制を見直すため、県立河北病院(河北町)と寒河江市立病院を統合・再編することが決まった。吉村美栄子知事と佐藤洋樹・寒河江市長が28日、県庁で基本合意書を取り交わした。今後、新病院の整備場所などを協議する。

 同地域の医療提供体制をめぐっては2022年、県や5市町などによる検討会を設置。新たな体制について議論を交わしてきた。

 各市町の担当者らによるワーキンググループがまとめた報告は、救急搬送の約6割が地域外に流出していることや、医師の不足や高齢化などで十分な当直体制を組めず、時間外の搬送を断らざるを得ないとの課題を挙げていた。

 その上で、県立河北病院と寒河江市立病院を統合。新病院を設置し、限られた医師や看護師などを集約することが妥当と提言した。

 22日の検討会では、新病院は診療科15、病床数160〜180床で、開院を2031年ごろと想定する最終報告が示された。

 合意書に署名した吉村知事は「西村山の中核的な役割を果たす病院を整備するスタートラインに立った」と話した。(高橋昌宏)