7日投開票の徳島市長選で返り咲きを果たした遠藤彰良市長が18日就任した。4年ぶりに入った市長室で、「懐かしいなという感じ。改めて責任の重さを実感している」と話した。

 午前8時20分ごろ、公用車で市役所に到着した遠藤市長は、支援者から花束を受け取って、庁内へ。8階の市長室に入り、引き継ぎ書類に署名をした。

 幹部職員らを集めた午前の会議では、「午前0時20分過ぎに電話で豊後水道地震の報告を受け、市長としての危機管理対応を実感した。危機管理局や消防局の適切な対応に頼もしさを感じた」と話した。

 その後、全職員に向けた庁内放送で、「公約の実現には皆さんの協力が不可欠。共に頑張っていきましょう」と呼びかけた。

 午後の記者会見では、「いろんな市の課題を外から見てきたが、まずは担当の職員に話を聴いて状況を把握することから始めたい」と述べた。

 2016年から1期務めた間に周辺自治体と進めてきた広域ごみ処理計画については、「希望するところがあれば一緒に事業を進めるのは当然」と言及。19日から、それぞれの首長らとの面会を予定しているとした。

 一方で、批判してきた内藤佐和子・前市長の市政運営については、「継続の重要性というのは当然ある」と述べ、事業の存廃は職員との対話を踏まえて判断する意向を強調した。(相江智也)

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徳島市の遠藤彰良市長は18日、後藤田正純知事を徳島県庁に訪ね、市と県が協調して街づくりを進める方針で一致した。市長就任当日の面会は、市長の強い希望で実現したという。

 2人はこの日午後4時半から約30分間、意見交換。知事が昨年公表したJR徳島駅周辺の街づくり構想について「市にとってもありがたい話。チャンスだと思う。前に進めたい」と連携強化を約束した。

 さらに「知事の言葉がなければ市の職員も動かないほど(知事の言葉は重い)。非常にありがたい」と笑顔で知事を持ち上げた。これに対し知事は「胸襟を開き、透明性をもって議論していきましょう」と応じた。

 面会後、市長は報道陣の取材に応じ、「新ホールの場所として、(知事案の)藍場浜公園はとてもよい。ただこれとは別に、体育館をどこに建てるのかなどの協議はいる。全体としては県市が同じ方向で進んでいきたい」と強調した。(能登智彦)