【広島】安芸高田市の石丸伸二市長は18日、同市の「議会だより」の発行経費が計上された今年度予算は地方自治法などに違反するとして、同法に基づいて知事への審査申し立てをすると発表した。19日までに申し立て、知事は受理から90日以内に、予算の議決を取り消すかどうかの裁定をすることができる。

 18日に市役所で会見した石丸市長は「知事がどういう判断をするか見極めたい」と話した。

 石丸市長は2022年11月号の議会だよりに載った自身の議会答弁の要約について「表現が明らかに違う」などと是正を求め、今年1月、議会だよりの発行経費を24年度予算案に計上しないと表明した。これに対し市議会は、発行経費を追加する修正予算案を3月の市議会で可決。市長は「市長の予算の発案権を侵害している」として再議を申し立てたが、結論は維持された。発行経費は現在、予算に組み込まれているが、市長は執行を保留している。

 県内では04年に安浦町(現呉市)で、町長と助役の給料を減額する条例の議決が知事裁定で取り消されている。(柳川迅)