高校生の3人に1人が最近1カ月に本をまったく読まなかった――。鳥取県教育委員会が県内の小中高校の児童・生徒を対象に実施したアンケートで、そんな実態が浮かび上がった。

 県教委の「子どもの読書活動推進ビジョン」の改訂に向けた調査の一環で、1〜2月に実施。小学3、6年と中学3年、高校2年が対象で、学級単位で無作為に抽出した1912人に読書習慣や図書館の利用などについて尋ね、1683人から有効回答を得た。

 「最近1カ月に本を読みましたか」との質問では、「まったく読んでいない」が小3は3・0%(前回2017年度は4・5%)▽小6は9・8%(同7・2%)▽中3は16・0%(同14・5%)▽高2は35・0%(同29・3%)だった。高2は前々回12年度の21・3%から10年あまりで13・7ポイント増加した。

 「まったく読んでいない」と答えた児童・生徒に理由を複数回答で尋ねたところ、「本を読みたいと思わないから」が高2は51・9%、中3は57・8%で最も多かった。次いで「ゲームやテレビ、インターネットの方が楽しいから」が高2は36・7%、中3は46・9%。塾や部活動などで読書の時間が確保できない状況より、読みたくないという気持ちやSNSなどが影響していた。

 一方、「どのように本を選んでいますか」との質問(複数回答)では、「TikTokやインスタグラムなどのSNSで話題になった本を選ぶ」が高2で36・1%、中3で32・3%に上った。県教委の担当者は「ネットに触れる機会が増えるなど、児童・生徒の読書環境の変化に対応した読書推進の取り組みが必要になっている」と話す。(富田祥広)