2月25日(日)、群馬県高崎市にあるビエント高崎ビッグキューブにてeスポーツ大会『UNIZONE(ユニゾーン)』初の一般公開イベント『UNIZONE EX Match 〜Powered by SUPER FORMULA〜』が開催された。

『ユニゾーン』は、JAF(日本自動車連盟)の公認を受けた唯一のeモータースポーツ運営団体である一般社団法人日本eモータースポーツ機構(JeMO)が開催するイベントだ。

 イベントには、リアルおよびバーチャルで活躍するドライバー全12名が参加。荒川麟、石水優夢、大草りき、大湯都史樹、木村偉織、小出 峻、小山美姫、佐々木唯人、冨林勇佑、野尻智紀、武藤壮汰、山下健太(五十音順)らが、エキシビションレースを行った。

 今回のイベントでは、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)などのトップカテゴリーで活躍するリアルドライバーと、eモータースポーツで活躍するドライバーがふたりひと組みとなり、『マッチレース』と『スプリントレース』を展開。6チームが『i Racing』上のスーパーフォーミュラマシン、ダラーラSF23を用いて戦った。

 戦いの舞台は、実際にSFが行われる場でもある、栃木県に位置するモビリティリゾートもてぎだ。ファイナルレースとなる『スプリントレース2』で優勝したのは木村偉織/佐々木唯人組だった。

 野尻智紀と組み同レースでステアリングを握った武藤壮汰は、スタートを決めてレース序盤をリードするも、2周目のS字カーブでポジションダウン。最終周にはふたたび木村に迫ったものの、3コーナーでオーバーシュートして追い切ることができなかった。

 笑顔で優勝を飾った木村/佐々木組は、優勝賞金の10万円を獲得。今回はエキシビションマッチとして開催されたが、JeMOは2025年以降に国内トップリーグ戦の開催を目指していくという。

 またJeMOは、その裾野を広げるグラスルーツ活動も目指していくことを明らかにした。同団体の理事であり、群馬県高崎市に本社を置き今大会もサポートした糸井ホールディングスの代表取締役糸井丈之氏は、同イベントのトークショーにて、国内トップリーグへの参入を表明すると同時に、応募のあった県内の団体、学校、企業、福祉施設等へ最低50カ所にシミュレータ機材を1年間無償貸与し、県内リーグを今年のゴールデンウイーク明けには立ち上げる計画であることを語った。

 さらに、将来的には若年層を対象としたU-12やU-15、あるいは高齢者限定リーグや女性限定のレースなどの展開も検討していくという。JeMOとしては、こうした地域に根付いた活動を全国に広げていくことを目指していく。

 また、糸井氏とともにトークショーに登壇した日本レースプロモーションの上野禎久社長も、「我々リアルレースの場合には、サーキット開催地で縛られる面があるが、バーチャルであればその制約がない。さらにほかのeスポーツと比較しても、モータースポーツの場合にはリアルとバーチャルの境界線が近く、可能性しか感じない」と、今後の展開への期待を述べた。

 なお次回のイベントは、3月30〜31日に東京ビックサイトにて実施される予定となっている。また、ABB FIAフォーミュラE世界選手権の日本ラウンド『TOKYO E-Prix(東京E-Prix)』と併催される「E Tokyo Festival2024」にも、ユニゾーンとしてブースが出展される予定だ。