勝負強い打撃でチームの勝利に貢献する頼もしい存在だ

 存在感はグングン増している。郡司裕也の本職は捕手。ただ、実際に守っているポジションは多彩だ。今季初出場となった3月31日のロッテ戦(ZOZOマリン)では「五番・三塁」でスタメン出場。三塁手は今春キャンプ中に初挑戦したポジションだ。出場の幅を広げるために志願した気概を新庄剛志監督も買い、練習を積んで公式戦でも実現した形だ。

 郡司は2月の春季キャンプで三塁デビューする前に、次のように言っていた。「キャッチャーで勝負するのが一番なんですけど、チーム事情的にいいキャッチャーいっぱいいますし、他のポジションでも出られるのが一番なので。一番の強みは打撃。いろんなポジションができていたほうが絶対にいいですし、試合に出なきゃ意味ないんで」。

 首脳陣にとっても複数ポジションを守れれば、起用の幅が広がる。それだけ郡司の打撃は魅力がある。開幕時は出場機会が少なかったが、徐々にスタメン機会も増加。卓越したバットコントロールで的確にミートを繰り返し、結果を積み上げる姿を見せ続けた。今では三塁だけでなく左翼や一塁も守りながらレギュラー級の活躍を続けている。

 4月29日のオリックス戦(エスコンF)では8回に決勝打を放ち、1対0勝利に大きく貢献した。新庄監督も「勝負強い。その前に打っていなくいなくても、ランナーがいるところで何か期待を持たせてくれる選手なんで」と大絶賛。どこでも、いつでも仕事ができる技術とメンタリティーで屈指のユーティリティープレーにグングン成長中だ。

写真=BBM