GWも後半。新幹線でのんびり車窓をみながらワンカップやビールを飲んで、旅を楽しむ人も多いのではないでしょうか。たしなむ程度なら大丈夫なのですが、飲酒も適量を過ぎるとトラブルになってしまいます。

都内で働く会社員の女性、A美さん(40代)はある時、出張帰りで単身、新幹線に乗りました。3人が並ぶ座席の窓際の指定席に座っていたところ、途中の駅から隣に高齢男性2人が乗り込んできたそうです。高齢男性たちは酒盛りを始め、大声で盛り上がっていましたが、そのうち酔っ払ってA美さんに絡んできたといいます。「逃げ場がなくて本当に怖かったです」とA美さんは振り返ります。

SNSでも、新幹線で酔っ払った男性と隣になり、しつこいナンパにあったり、勝手に身体を触られたという女性の投稿がしばしばみられます。

もしも、こうした被害に遭ってしまった場合は、どうすればよいでしょうか。

●酔っ払ったおじいさんが身を乗り出し激怒

酔っ払った高齢男性たちに絡まれたA美さんは、逃げるまでに大変だったといいます。

「とにかく最初からすごくうるさかったです」

そう話すA美さん。高齢男性たちはワンカップなどの日本酒を飲み出し、大声で下ネタを連発していたといいます。A美さんは高齢男性たちとなるべく関わりにならないよう、座席で身を縮めて窓の方を向いていました。

ところが、盛り上がってきた高齢男性たちは、A美さんにちょっかいを出し始めます。

「一緒に酒を飲もうと言われました。もちろん、断りましたが、しつこくて…。だんだんと、男性が私の席に方に乗り出してきたのも恐怖でした」

A美さんは断り続けましたが、あまりにしつこいので、途中からは口をつぐんでいました。すると、隣席の高齢男性が大声で「無視すんじゃねえ!」「バカにするな!」と怒鳴り出しました。A美さんは暴力をふるわれるのではないかと身の危険を感じて、逃げるように座席を立ちました。

車内の乗務員室に行ってみましたが、すぐには見当たらず、仕方なく車両の廊下からJRの本社に通報して、乗務員に連絡してもらい、待ち合わせて席を変えてもらったといいます。

A美さんは憤ります。

「指定席をとって、ゆっくりできると思っていたのに、本当に理不尽です。座席に通報できるボタンもなく、席を変えてもらうまでに時間もかかりました。本来であれば、迷惑行為をした人たちを席から追い出してほしかったです」

●酔っ払って暴言…警察沙汰になるケースも

A美さん以外にも、酔っ払った乗客から迷惑をかけられたという人の投稿はSNSで多数、みられます。

ある女性は、A美さん同様、新幹線で隣に座った酔っ払いの男性に話しかけられて迷惑だった経験を投稿していました。寝たふりをしても、身体を触られて起こされたそうです。乗務員がなかなか通らず、強く断って男性に逆上されるのも怖かったので耐え忍んだとのことでした。

また、弁護士ドットコムにも新幹線で酔っ払った男性たちに絡まれ、警察沙汰になったという家族連れの声が寄せられています。ある男性が妊娠中の妻と子どもと新幹線に乗っていたところ、スーツ姿で出張帰りの男性2人が後ろの席に座り、酒盛りをしていたそうです。

男性たちはかなり酔っており、飲んでいたワインをこぼして、家族の荷物がワインまみれになったといいます。後日連絡するからと男性たちに名刺を求めましたが、「アホか」「死ね」などと暴言を吐かれて、結局警察を呼んだとのことでした。

ここまでのトラブルにならずとも、酒のにおいや、大声での歓談などを不快に感じて、「少し高い料金払ってもいいから、禁酒席をつくってほしい」という声もSNSではみられます。

●JR東海「何かありましたら乗務員や警備員へ」

こうしたトラブルにあった時はどうしたらよいのか。JR東海に聞きました。

「車内では、飲酒時に限らず他のお客様にご迷惑をおかけすることの無いように、マナー面でのご協力をお願いしております。

車内で何かございましたら、車内を巡回しております乗務員や警備員、パーサーまでお申し付けください」

また、乗客だけでなく、酔っ払った乗客による乗務員への暴力も社会問題となっています。こちらはどう対応しているのでしょうか。

「原因の如何(いかん)に関わらず、暴力は犯罪であり、絶対に止めていただきたい。万一、暴力行為が生じた場合は、直ちに警察へ速報し、厳正に対処することとしており、被害発生時の対応方について、管理者や社員へ教育を実施しております」

GW後半、旅からの帰路で新幹線でほっと一息つくためにお酒を飲む人も多いと思います。くれぐれも、お酒に飲まれないようご注意を。