シンガー・ソングライター中島みゆき(72)の初となる大規模展覧会「中島みゆき展『時代』2024めぐるめぐるよ時代は巡る」が、20日から埼玉県所沢市のところざわサクラタウン内の角川武蔵野ミュージアムで開催される。レコードやカセットテープ、書籍のほか、人気公演「夜会」で着用した衣装や舞台模型などファン垂涎(すいぜん)の237点のお宝を一挙公開。これまでの足跡のみならず、知らなかった新たな中島みゆきと〝出会う〟空間となりそうだ。

 1975年のデビュー以来、50年近く第一線で走り続けてきた中島。「時代」(75年)、「悪女」(81年)、「誕生」(92年)、「糸」(98年)、「地上の星」(2000年)、「銀の龍の背に乗って」(03年)など数々のヒット曲を生みだし、日本で70、80、90年代、2000年代と4つの世代でシングルチャート1位に輝いた唯一の女性アーティスト。

 意外にも大規模展覧会を開催するのは初めてとあって、ファンならずとも注目のイベントだ。会場はレコード盤をイメージした円盤状の作りとなっており、巨大な「みゆきストリート」でデビューから現在まで中島の活動を振り返りながら世界観に浸れるようになっている。ほかにも自分の好きな中島の曲をリクエストし、レコードで聴ける「レコード万歳」のコーナーなどもある。

 中でも「夜会 言葉の実験劇場」のコーナーは目玉となりそうだ。「夜会」は、中島が1989〜2019年までに計20回開催した人気公演。「ミュージカル、舞台、コンサート、いずれとも称しがたいなにか」として中島自身が原作や脚本を書き、オリジナル曲を書き下ろして歌唱。会場では現時点で最後の開催となっている19年の「夜会VOL.20『リトル・トーキョー』」で着用した紫と白の衣装や、11〜12年の「夜会VOL.17『2/2』」などの舞台模型が展示される。人気の高い夜会は毎回チケットが取りにくくプラチナチケットとなるため、来場できなかったファンも公演の興奮と息吹を感じることができる企画だ。

 会場となる角川武蔵野ミュージアムの宮下俊ゼネラルプロデューサーは「中島みゆきの『時代』と、あなたの『時代』が巡り、出会う特別な場所をつくりました。音楽はそれぞれの人の人生の見出しになっていると思います。あなたは、いつ、どこで、どんな時に中島みゆきに出会いましたか?」と問いかけ、来場を呼びかけている。

 同展は6月23日まで。

 ◆中島みゆき 1952年2月23日生まれ、札幌市出身。75年「アザミ嬢のララバイ」でデビュー。同年、世界歌謡祭において「時代」でグランプリを受賞。76年アルバム「私の声が聞こえますか」をリリース。現在までにオリジナル・アルバム44作品をリリース。アルバム、ビデオ、コンサート、夜会、ラジオパーソナリティー、テレビ・映画のテーマソング、楽曲提供、小説・詩集・エッセーなどの執筆と幅広く活動。