岸田文雄首相が17日、大リーグ・レッドソックスの吉田正尚外野手(30)が出演した動画で「日米観光交流年」をアピールした。しかし、1ドル=155円に迫る円安が進行しており、「庶民はアメリカ観光なんてできません」「インバウンドで日本国民が疲弊している」など一般市民の神経を逆なでする結果となった。

 岸田首相はX(旧ツイッター)で今年が日米観光交流年だとPR。「アメリカで活躍する日本の選手、日本で活躍するアメリカの選手を皆で応援し、スポーツ観戦を通じた観光も盛り上げていきましょう」と投稿し、吉田が出演した動画を紹介した。リンク先の日本政府観光局のYouTubeチャンネルでは吉田が「野球は日米双方で熱心なファンを持つスポーツであり、互いの国で仲間と一緒に野球をしたり、スタジアムで観戦することにより、日米双方の野球への理解をさらに深めることができます」「いろいろな国の選手と対戦できるのが野球の魅力です。その魅力に触れに、ぜひアメリカに観戦に来てください」などのメッセージを寄せている。

 しかし、日米の金利差が引き起こした円安が進んでおり、ここ数日で約34年ぶりの円安ドル高水準となっている。一般市民には海外旅行のハードルが高くなっており、Xでは「為替をなんとかしないと日本からの観光客はあまり期待できないのでは?」「アメリカで活躍する日本人選手を一目見に、応援しに海外に行きたくても、賃金上がらない。アメリカは比べ物にならないくらい物価高い」「呑気な事言ってる場合か?1ドル155円になっちゃうよ!ますます物価高!どーするんだよ」「そんな事より、困窮する国民の生活と被災地の復興を何とかしろ」などと厳しい状況を訴えるコメントが相次いだ。