SMILE―UP.(スマイルアップ、旧ジャニーズ事務所)が英BBCに対し、東山紀之社長の発言を「意図的にゆがめた」と抗議した問題に、ジャーナリスト鈴木エイトさんが「メディアの編集権への介入」と警鐘を鳴らした。

 スマイルアップは25日、BBCが3月に放送した番組の東山社長のインタビュー部分について「発言の趣旨とは異なって放送されている」「発言を意図的にゆがめて放送し、視聴者の印象を操作しようとするもの」とし、抗議文書を送ったと発表した。

 番組では、性加害問題に絡んで発生している誹謗中傷について、東山社長の「言論の自由もあると思う。僕は別に誹謗中傷を推奨しているわけでもなく、多分その人にとってはそれが正義の意見なんだと思うときもあります」という発言が放送された。スマイルアップ側は、その後の「なるべくなら誹謗中傷は無くしていきたいと僕自身も思っています」の発言部分が番組で省略され、誤解が広がっていると主張。また、番組の放送に先立ってBBC側に書面を送付し、東山の発言を切り取りしないよう求めたことを明らかにした。

 だが、昨年に旧ジャニーズ事務所が開いた記者会見で「指名NGリスト」に入っていた1人でもある鈴木さんは、この対応を疑問視。自身のX(旧ツイッター)で「取材を受けた際の録音データを確認したSMILE−UP.が、当該発言が放送されるとまずいと思い弁明のレターをBBCへ送っていたということ。メディアの編集権への介入の意図まで感じられ、性加害とセットで行われてきた圧力を彷彿とさせる」と指摘した。