歌舞伎俳優の松本幸四郎(51)が10日、東京都内で主演する劇場版「鬼平犯科帳 血闘」(山下智彦監督)の公開記念舞台あいさつに出席。全国300館以上で初日を迎え、「キャスト、スタッフ皆で情熱と愛情を持って、ひとつの作品をつくり上げた」と感無量の面持ちであいさつした。

 池波正太郎さんの代表作で、主人公の「鬼平」こと長谷川平蔵を祖父の初代松本白鸚、叔父の二代目中村吉右衛門も演じた。その鬼平を受け継いだ幸四郎は京都での撮影を振り返り「現場に100%の信頼を持ち、自分を出し切れた」と手応えを見せ、「深く深く描かれた人間ドラマ。1人でも多くの方に見て頂きたい」とアピールした。

 共演した柄本明(75)は過去の「鬼平」で吉右衛門とも共演しており、「幸四郎さんがやられるニュースを見て、本当にうれしかった」とコメント。「この映画はヒットさせなくてはいけません! いろんなところに電話をかけて宣伝、本当によろしくお願いします」と年長者らしい表現で観客に懇願して笑わせた。

 また、幸四郎の長男で若き日の鬼平を演じた市川染五郎(19)は、同世代に向けて「正統派の時代劇を感じつつ、新しい時代劇。照明がすてき。映像の美しさが新しくて、若い方が見ても新鮮」と強調した。この日は、共演の中村ゆり(42)、北村有起哉(50)、中島瑠菜(17)も登壇した。