日本サッカー協会の前理事で、全日本大学サッカー連盟理事長を務める流通経大男子サッカー部の中野雄二監督(61)が、他大学の監督に対して威圧的な発言などのパワーハラスメント行為があったとして、日本サッカー協会から3カ月の公的職務停止処分を受けたことが27日、分かった。

 日本協会の裁定委員会による懲罰の決定日は3月4日付。中野監督は不服申し立てをせずに処分を受け入れ、全日本大学サッカー連盟理事長、関東大学サッカー連盟理事長などの要職の業務からは離れている。

 複数の関係者によると、昨年、中野監督が他大学の監督を激しく罵倒したという。優越的な地位や立場を背景に適正な範囲を超えた威圧的な発言があったとされ、日本協会の裁定委員会によって、中野監督の発言はパワハラと認定された。

 中野監督は流通経大サッカー部を強豪へと引き上げ、日本代表MF守田英正(28)=スポルティング=ら100人以上のプロ選手を輩出した手腕などを評価され、日本協会では理事や技術委員、天皇杯実施委員長を歴任。全日本大学連盟と関東大学連盟の理事長に加え、関東サッカー協会理事、茨城県サッカー協会理事、北関東大学サッカー連盟特別顧問などを務めている。

 日本協会の裁定委員会が決定した懲罰について、関係者は「4月の日本サッカー協会理事会に報告されると聞いている」としている。