◇31日 女子ゴルフ ヤマハ・レディース葛城最終日(静岡県袋井市、葛城GC山名C)

 5打差の5位からスタートした小祝さくら(25)=ニトリ=が6バーディー、1ボギーの67で回り、通算10アンダーで逆転して今季初、昨年7月のミネベアミツミレディス以来となるツアー通算10勝目を飾った。1打差の2位には前日まで首位の竹田麗央(りお、20)=ヤマエグループHD=と岩井千怜(21)=ホンダ=が入った。

   ◇   ◇

 圧巻の上がり5ホールだった。「ボギーにはしたくなかった」という13番で手痛い1打を落とした小祝だが、14番で3メートルを決めると、15番でも3メートル、16番では8メートルのバーディーパットを沈めた。

 17番で自身が首位に並んでいるリーダーボードを見て「そこで優勝を意識した」と最終18番へ。2021年大会2日目にOBを打ちトリプルボギーに見舞われたホールだけに「ちょっと怖さはあった」というが、左ラフから花道にナイスショット。3打目のアプローチを40センチに寄せて逆転勝利を決定づけた。

 「この難しいコースで10勝目を挙げることができてすごくうれしい」と小祝。「プロになった時は1勝できるとも思っていなかった」と真顔で話す。だが、10勝のうち、通算スコアが2桁に乗っていないのは、嵐のような風雨に見舞われた21年のCATレディースだけ。本人の自覚以上にゴルフ力は抜群だ。

 今季は5試合で優勝1回、2位2回。年間ポイントランクで鈴木愛を抜きトップに立ったが「年間女王などを意識せず、目の前、足元を見て、一歩ずつ前に進んでいきたい」と語った。

 V副賞の水上オートバイには「サメの映画を見て浅瀬でも海が怖くなっちゃった」と苦笑いした。